日本のモータージャーナリスト、コーナーリングマシンの基準もないのか?

日本のモータージャーナリスト、キチンとコーナーリングマシンと呼ぶ基準すら、ちゃんと持ち合わせないのか?

コーナーリングマシンは、コーナーを速く回るコトに主眼を置くクルマだ。ぶっちゃけ、軽さと低さとトレッドホイールベースに依る。この場合のホイールベースは、前輪内側から後輪外側に斜めに効く。もちろん、シャシー剛性バランスやタイヤのグリップやサスペンションの良さ強さも関係するが、クルマの素性としてはまずソコだ。

 サーキットユースやレースユースのクルマ、また最高速度トライのクルマでも、車体強化や寸法最適化する過程で高いコーナーリング性能を有するが、それはあくまで副次的なモノで、第1目的ではなく、コーナーリングマシンとは言わない。デカければ踏ん張り、限界は高くなるが、コーナーリングを味わうには程遠い。

昔で言えば、コーナーリングマシンとはフェラーリディノやロータスヨーロッパランチアストラトスらだ。

日本車で言うなら、トヨタのA60セリカAE86レビン/トレノ、ニッサンでS12S13シルビア、ホンダでシビックやCRXらになるだろう。馬力あまりなくても、車両重量1t前後、ソレ以上なら呼称に価しない。

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生半可なウデじゃ楽しめない! かつて走り屋を狂喜させた歴代コーナリングマシン
2022.11.03 11:02掲載 WEB CARTOP 40
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この記事をまとめると

■自動車メーカー各社の歴代コーナリングマシンを紹介

ローパワーでもコーナーが速い! ドラテクだけで勝負できるスポーツモデル5選

■ユーザーを選ぶほどのピーキーすぎるマシンも多くあった

ロードスターは初代から現行モデルに至るまでコーナリング性能にこだわっている

自動車メーカー各社の名コーナリングマシンを探せ!

操縦性とスタビリティは、本来相反する要素だが、やっぱりよく曲がるクルマは面白い。スポーツドライビングの醍醐味は、コーナーを駆け抜ける爽快感で、ステアリングをドライバーが積極的に切っていくこのフィーリングが面白い。ステアリングを切っても曲がらないクルマ、アンダーステアの強いクルマは、結局アクセルをなかなか踏めないし、ワクワクしない。

というわけで国産各社のしっかり曲がって、コーナーでワクワクできるクルマをピックアップしてみよう。

トヨタ

トヨタの場合、今のGR86もコーナリングマシンといえばコーナリングマシンだが、ひと昔前だと、MR-Sなどは、速いクルマではなかったが、ミッドシップらしく軽快なアジリティでコーナリングマシンといえた。

また70スープラの2.5GTツインターボRも、FRらしいコントロール性の良さがウリで、イメージどおりのコーナリングができた1台と記憶している。

ホンダ

ホンダはハンドリングに関しては攻めきったクルマが多い。その筆頭は初代NSX。オールアルミボディで軽量化と高剛性を達成し、電子制御やハイテクに頼らず、ダブルウイッシュボーンサスを丁寧に仕上げて、接地性変化が少なく、切れがよく、コントローラブルで、懐の深いハンドリングを実現。シャシー性能の高さは当時世界中のメーカーに大きな影響を与えた。

FFのハンドリングの歴史を変えたという意味では、インテグラタイプR(DC2)も画期的だったし、ビートも素直で面白かった。S2000も文句なしに曲がったが、その分ややピーキーで万人向けではなかったかもしれない。

日本の自動車メーカーのラインアップはFRマシンで溢れていた

日産

日産のFR車は名車が多く、R32、R33、R34スカイラインのFRモデル、GTS-tタイプMやGTS-25t、25GTのクーペはどれもなかなかレベルの高いコーナリングマシンだった。

S15シルビアやZ33Z34などもポテンシャルが高いが、ノーマルではちょっと物足りない……。とくにシルビアはチューニングでの伸び代が大きく、日産車はチューニングとセットでコーナリングマシンという位置づけのクルマが多い。また日産のFRスポーツは、パワーもある一方で車重もそこそこあるので、ドラテク鍛錬車としても向いている。

マツダ

もしかすると、マツダが一番コーナリング性能にこだわっているメーカーかもしれない。

まず歴代ロードスターロードスターはコンパクトFRのセオリーどおりに作られたクルマで、操縦性は極めて素直。ドライビングの良し悪しがそのままクルマの動きに現れ、よく曲がるが限界域は穏やか。ビギナーから上級者までストレスなく乗れるのが最大の長所。

RX-7もFDなどは「世界中のどんなサーキットでもインからライバルを刺せるハンドリングを目指した」とされ、ピーキーと言われても「曲がる」ことには妥協しなかった。

その点、FDの後継車ともいえるRX-8は、FDにはなかった直進安定性と、コーナリングパワーとコーナリングフォースを両立。希代のコーナリングマシンに仕上がっていたので、これは高く評価しておきたい。

その他、三菱のランエボ、とくにエボIXもMRなどは、スーパーAYC、ACD、スポーツABSなどのハイテクを満載。電子制御のロジックを理解し、それを上手く手なずけられると、他車とは違う異次元のコーナリング性能を発揮した(ただし、好き嫌いは分かれるところ)。

いずれにせよ、すべてのクルマ、とくにスポーツカーは“シャシーはエンジンより速く”というのが、面白いクルマの鉄則。もちろん何をやっても破綻しそうもない、安定感だらけのクルマではワクワク、ドキドキできないが、操作に忠実で、レスポンスがよく、インフォメーションが豊かで、限界域が広い……。そんなコーナリングマシンなら、10年経っても20年経っても30年経っても色褪せないので、そうしたクルマがどんどん出てきてほしいものだ。

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