ボール球を十把一絡に誤解してない?

日本のプロに限らず、アマチュア野球でも、ボール球に対する理解が歪んでしまっている。

キャッチャーばかりではない。ピッチャーも監督コーチも、キチンと理解してない。

今は申告敬遠というバカ制度もある。キャッチボールにもならない、敬遠の4球もタマ数に含めてしまい、カウントする。バカな運痴学者やマスコミや歪んだ評論家らが、正しくもないトミー・ジョン手術の国アメリカの理屈を立て、持久力系鍛練を避け瞬発力系鍛練ばかりにして、トミー・ジョン手術の低年齢化を促進している。

ピッチングに於いて、ストライクだけがピッチングではない。打ち気のタイミングでボール球、或はストライクからボールになるタマを投げ、打ち取るボール球の使い方を覚えるのも、ピッチングスキルの1つだ。投げ込みしないでそんなスキルは身に付かないし、持久力系トレーニングナシに投げ込みを支える体力は築かれない。

今の中高生などアマチュア指導者達は特に、持久力系と瞬発力系トレーニング比率を前者主体に戻すべきだ。

オリックス星野やヤクルト石川らのピッチングを学び直す必要があると思う。

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最近、ボール球をうまく使うキャッチャーが減ってきたと思いませんか【ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ】
12/14(水) 11:00 Yahoo!ニュース
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わざとフルカウントもあり
 
日本シリーズで体を張って捕球していたオリックス・若月
 昔の村山(村山実)さん(元阪神)、遠藤(遠藤一彦。元大洋)あたりは、まずなかったけど、今のピッチャーのフォークボールはショートバウンドが当たり前ですよね。それどころかベースの前に落ちたりすることもある。僕は現役じゃなくてほんとによかったと思います。あんなの怖くて捕れません。

【選手データ】若月健矢 プロフィール・通算成績

 ただ、ほとんどは見極められたら単なるボールですよね。いまはみんなブンブン、バットを振るから空振りしてくれるけど、昔の吉田(吉田義男)さん(元阪神)みたいなバッターなら、絶対に手を出さんと思いますよ。

 僕が現役時代、ああいう球を決め球にした投手をリードするとしたら? まずはブルペンで怒って、ちゃんと地面に着かんように投げさせますが(笑)、あえてフルカウントにし、ボール臭い球でも手を出やすくしてから投げるのも手でしょうね。不思議と1-2や2-2よりバットが出やすいんですよ。

 それはともかく、最近、ボール球をうまく使うキャッチャーが減ってきたと思いませんか。球数は少ないに越したことはありませんが、3-2のフルカウントまでは持っていけるし、場合によっては四球でいいときもあります。相手が手を出さんでも次の球の布石にしたり、打ち気たっぷりのバッターをおちょくったりと、武器になるんですけどね。

 今は、ボールピッチと言えば、だいたいが2ストライクと追い込んでから、外に外すワンパターンだけでしょ。しかも捕球に自信がないのか、ピッチャーのコントロールに不安があるのか、サインだけじゃなく、体を持っていって知らせることがある。一応、バッターはキャッチャーを見ないことになっていますが、あんなに動けば嫌でも見えます。バッターを少しでも迷わせることが大事なのにもったいないですよね。

 あとね、大事なのはコンビネーションなんですよ。その投手のどの球をどう使ってバッターを追い込み、勘違いさせ、最後、三振させるのか、あるいは、ゴロを打たすのかとか頭になきゃいけない。僕は、そのバッターが打席に入るときには、どう攻め、どう打ち取るかが頭の中に映像として浮かぶくらいにしていました。

 今は何だか1球1球が切れて見えるんですよね。まず初球でストライクを取り、次は2ストライクを狙い、追い込んだら当たり前みたいに1球ボールピッチをして最後は決め球を投げさせる。それがボールになったら「さあ、どうしようか」とまた一から考えるみたいな感じがします。

 もちろん、パターンを決めているとはいえ、修正は必要ですよ。例えば、2-2のときのフォークがボールになって、しかも振らないとなると、次の球に真っすぐか、フォークを選ぶか迷うと思います。フォークを投げるときの癖がばれた可能性もあるし、たまたま見送っただけかもしれん。真っすぐに変えて、打たれることもありますしね。

 ただ、そのバッターの特徴は必ずある。どういう球にどう手を出してくるかは、じっくり観察すれば必ず分かってくるはずです。勝負どころではピッチャーの特徴に合わせたワンパターンじゃなく、打者によって変えて、どう仕留めていくかをプラスして考えていくわけです。その中でボール球を使ったり、逆に3球勝負を仕掛けたりしていきます。

 あらかじめパターンをつくっておくと、サインもひょいひょい出せます。ピッチングのテンポも速くなり、リズムもよくなり、こちらのペースになって、バッターを術中にはめやすくなるわけです。

失敗も糧になる
 僕は打者が慣れるまで同じパターンを繰り返しました。それをほかの選手にあてはめたり、変形パターンを応用しながら、配球の引き出しを増やしていくわけです。成功例が増えると、間違いなくリードが楽しくなっていきます。

 もう1つ、キャッチャーがブルペンでやってほしいのが、ピッチャーに真っすぐを力いっぱい投げながらコーナーにコントロールする練習をさせることです。最近は外いっぱいに決まった、バッターが手が出せないストライクというのがあまりなく、真っすぐ勝負にしても、そのピッチャーの球の力だけで打ち取るケースが多いように見えるからです。

 これは制球重視で八割の力での練習じゃなかなか身につかない。試合と同じくらいの気持ちで、全力でコーナーいっぱいに決める球を徹底的に投げさせ、「いいぞ」「もう1球同じところへ」「ダメ、もっと厳しく」とどんどんピッチャーに声をかけてください。

 江夏みたいな一流は別ですが、一軍半くらいのピッチャーはキャッチャー次第で変わってきます。現役捕手の皆さんには、もっともっと勉強してキャッチャーという仕事を楽しんでほしいと思います。やめてから、こうやってブツブツ言っても、「うるさいオジさんだな!」で終わってしまいますからね(笑)。

 また日本シリーズの話に戻りますが、第4戦でのオリックスの若月(若月健矢)君のワンバウンドのブロッキングはすごかったですね。はっきり言えば、僕はようできません。

 オリックスはフォークのいいピッチャーが多かったけど、一番は、あの試合、5回一死で出てきた宇田川(宇田川優希)君ですね。最近、フォークを投げるとき、リリースで少しねじれて投げているように見える投手が増えたけど、彼はボールを2本の指でしっかり挟み、ブレずに投げていました。指が長く、手が大きいのもあるでしょうが、しっかり挟む力があるからフォークの連投もできるし、落ち方が一定していたと思います。

 もちろん、若月君を信頼していたのもあったでしょうね。体を張って球をよく止めました。あとね、若月君は、宇田川君のときだけじゃないけど、3アウトになるたび、喜びが体からにじみ出ていました。周りはみんな見ています。投手だけじゃなく、味方を元気にしてくれるキャッチャーでした。

 ただ、一瞬油断したのかな。9回表、初球に「あれ?」と思うような軽い構えをし、案の定、初球のど真ん中をヤクルトの丸山(丸山和郁)君に二塁打されていました。若月君も一瞬、あわてたような顔をしましたが、それで次の打者から、また、あの股を大きく開いて緊張の見える捕球スタイルになりました。

 初球のあと、どう思ったか知りませんが、成功ばかりじゃない。ああいう失敗の積み重ねでもキャッチャーは成長していきます。まあ、僕みたいな二番手捕手は、失敗を積み重ねてたらクビになるから、いつも必死にやってましたけどね(笑)。
週刊ベースボール

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