小排気量のV6、良さをドライバーが引き出せずに終わった!

確かに、クルマのエンジン、1気筒当たり500ccが基準だ。3気筒1,500cc、4気筒2,000cc、5気筒2,500cc、6気筒3,000cc、8気筒4,000cc、10気筒5,000cc、12気筒6,000cc、16気筒8,000ccというコトになる。

同じ排気量でソレらより大きいと、エンジンの性格的にトルク重視、小さいと回転パワー重視というイメージになる。実際、オートバイのエンジンなら、ホンダCBR250が直4(1気筒当たり62.5cc)で20,000回転、45馬力トルク2.5キロ。クルマのエンジンなら、ホンダS2000が直4(1気筒500cc)で9,000回転、250馬力トルク20キロちょい。

このミラージュの1.6リッターV6(1気筒当たり266cc)だと、140馬力トルク16キロくらい。ユーノスプレッソの1.8リッターV6(1気筒当たり300cc)でも、同等の馬力でトルク18キロくらい。考えたらわかるんじゃない?単に135馬力欲しいなら、750ccのV12にすればイケる。しかし、トルクが7.5キロ、ソレではクルマを動かすには足りないのだ。

もちろん、トランスミッションやデファレンシャルでエンジン回転を減速し、トルク増幅するのだ。つまり、ギヤ比を低くすれば・・・というやり方自体、レーシングカーのセッティングに近い。実際に、排気量小さければ、低速域の燃費は、大排気量車両より遥かにマシなのは、子供でもわかる。

しかし、現実に運転するヒトはフツ~のドライバーなのだ。だから、その良さや特性を引き出せずに終わっただけだ。

 

 

 

 

 

 

 

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V6って普通3リッターとかだろ! なんでこんなの作ったの! 4代目三菱ミラージュが積んだ1.6L・V6ってなによ?
2024.04.06 12:02掲載ベストカーWeb19


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V型エンジンときけば高級車のイメージがあって、排気量も2.5Lとか3Lくらいをイメージする。しかし歴史は奇怪なり。なんと三菱はわずか1.6LのV6を作っていたのだ!

文/ベストカーWeb編集部、写真/三菱自動車

V6って普通3リッターとかだろ! なんでこんなの作ったの! 4代目三菱ミラージュが積んだ1.6L・V6ってなによ?

■コンパクトカーもゴージャスだった90年代

画像は同型のミラージュで別グレードです

カレンダーを30年くらい巻き戻した1990年代は、バブルの名残なのか日本にも高級ブームが渦巻いていた。クルマにも「4気筒より6気筒」みたいな価値観があって、2LのFR車は直6エンジンが当たり前だった。

その流れはコンパクトカーにも波及する。とはいえコンパクトカーはエンジンを横に置く前輪駆動だから直6は長すぎて積めない(ボルボは積んだが)。なんとか高級な6気筒を積めないか。悩んだ末に生み出されたのが、全長の短い小排気量V6エンジンである。

最初はマツダだった。1991年6月、1.8LのV6エンジンを積んだコンパクトクーペ「ユーノス・プレッソ」が誕生する。

ところがプレッソの天下は続かなかった。わずか4カ月後の91年10月、当時イケイケだった三菱が4代目ミラージュとランサーになんと1.6LというV6エンジンを搭載し、発表したのだ。V型6気筒エンジンとしてはもちろん世界最小である。

V6エンジンを積んだミラージュ/ランサーは、6気筒をアピールすべくそれぞれ「ミラージュ6」「ランサー6」と呼ばれた。

■スムーズな吹け上がりは爽快だったが……

画像は同型のミラージュで別グレードです

V6エンジンの型式は6A10型といい、ボア73.0mm×ストローク63.6mmというショートストローク型。気筒あたり4つのバルブを持つDOHC24バルブで、最大出力は140psで最大トルクは147Nmを発揮した。

このエンジン、当時のベストカー本誌を読んでみると、高回転までスムーズに回る吹け上がり感は爽快だったが、低速トルクが弱かったようだ。1.6のL6気筒ということは1気筒あたり容積=約267cc。こいつをショートストローク型にすると確かにトルク感は薄くなっただろう。

ミラージュ6とランサー6は、コンパクトカークラスに上質さを持ち込んだものの、その市場では別のブームも起きつつあった。1991年、5代目ホンダ シビックがVTECエンジンで170psを達成し、1.6Lクラスもがパワーウォーズが勃発したのだ。

このパワーウォーズには三菱自身もミラージュ・サイボーグ(175ps)で応戦したのだが、こうなると上質・高級なV6コンパクトの存在感はすっかり消えてしまった。

実はセダンボディのランサーについては、1995年に登場した5代目に1.8LSOHCのV6エンジンが継承されている。ところがミラージュ6については5代目に後継グレードを残すことなく、その使命を終えたのである。

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