馬力とトルク。最高速度に効くのは馬力、加速力を左右するのはトルク

馬力とトルク、わかっているようでわかっていないヒトは多い。

馬力は、アクセルを踏み続けたところでクルマを進めるエンジンの仕事率。

トルクは、クルマに及ぼすエンジンの力。

だから、クルマのスピードに影響するのは馬力、クルマの加速力に影響するのはトルク。

もちろん、ミッションやデフのファイナル比なども作用する。

ただ、根本的に走りで差が出る場所が異なる。

例えば、追い抜き追い越し。立ち上りで抜かれるなら、基本、トラクション含めたトルク。直線中間走以降で抜かれるなら、空力とパワーだろう。車重なども影響するが、ココではやらない。

特に、池沢さとしサーキットの狼」で、主人公のロータスヨーロッパがコーナー立ち上りで悠々抜かれる場面あるが、パワー差による追い抜きではあり得ない。中間走以降でなければ起こらない。

立ち上りで抜くには、軽さやトルクや旋回トラクションの方が効く。

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「馬力」と「トルク」の違い―ちゃんと説明できますか? いまさら聞けないクルマのスペックの読み方
5/30(日) 18:02 Yahoo!ニュース
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オートバイに使われるエンジンは高回転型が多い。4気筒250ccでは1万8000回転とか2万回転も回るものも
 クルマのカタログなどに書いてある「馬力」と「トルク」。どちらもエンジンの力強さを表す数値です。ただし、この二つはそれぞれ関連しているのですが違うものです。クルマ好きのみなさん…ちゃんと説明できますか?いまさら聞けないスペックの読み方についておさらいです。

【写真】昔の船などに使われていた焼き玉エンジン…回転が目で追えるほどの低回転型。力強いけど馬力は低いです

サラブレッドは何馬力?
 馬力という言葉はよく聞きますよね。エンジンとかモーターの力がどれだけ強いかを表す言葉です。年配の人なんかでたまに「本気を出す」ということを「馬力をかける」なんて言う人がいらっしゃいますが、これは死語なのでナウなヤングにはあんまり通じませんね。

 また、競馬場なんかでサラブレッドが走っているのを見て「あれが1馬力なんだよ」なんて言ってる方もたまにいらっしゃいますが、間違いです。1馬力は馬一頭分の力ではありません。ただ、元々の馬力の定義として馬は無関係ではありません。荷車を引く馬一頭が、連続して出し続けられる力が基準になっている、とされています。なのでサラブレッドの場合は約3馬力、瞬間的なパフォーマンスとしては15馬力から20馬力くらい出せるという説もあります。

 定義されてる値で言うと、1馬力というのは「75kgの物を1秒間で1メートル持ち上げる力」です。そうですね、例えで言いますね。だいたいの目安としてですが、普通の住宅の1階分の高さは3メートルとされてます。なので、体重75キロの人が階段で2階まで3秒で駆け上がったとしたら、その瞬間その人は1馬力の力を出した、ということですね。これ、結構大変です。1馬力ってなかなか侮れない力ですね。

 この「馬力」という単位は、実はいまは正式には使われていません。1999年に施行された新計量法で、国際的なスタンダードに合わせて「kW」を使うようになったからです。ただ、馬力という単位があまりにも一般的に浸透していて、ぶっちゃけ「わしらキロワットで言われてもピンと来えへん」という人が多いので、20年以上経ったいまでもカタログの諸元表なんかでは併記されてますね。換算する場合には、1馬力は0.7355kWです。

 また「馬力」という表記自体もいまはあまり使われていなくて、日本のカタログでは「PS」と書かれてますよね。これも他に「HP」とか「CV」とかあって、細かく言うとそれぞれ微妙に違うんですが、まあだいたい似たような感じです。

ぐいぐいねじる力がトルク
 トルクというのは、エンジンが物を回そうとする力の強さです。回転力とかねじり力とか言うこともあります。単位はkgf・mです。kgfというのは重さの単位でキログラムと一緒と考えていいです。それにメートルが付きますね。たとえば長さ1メートルのレンチで、端っこに1キログラムの力を掛けてネジを回したとします。そのときネジに掛かるトルクが1kgf・mですね。

 エンジンの場合は逆に軸を回すわけですから、たとえばエンジンの軸に半径1メートルの円盤を取り付けて、その円盤の端っこにしがみついてる体重50キロの人を持ち上げられたら50kgf・mですね。ただしエンジンは回転数によって力強さが変わります。燃焼の具合とか効率の関係で、得意な回転数と苦手な回転数があるのですね。なのでたいていデータとしては50kgf・m/6,500rpmとか書いてあると思います。この場合、エンジンが毎分6,500回転で回ってるときに50kgf・mの力が出ています、ということで、この回転数を最大トルク発生回転数と言ったりもします。

 なお、このトルクもいまは正式には国際単位Nmに統一されています。これはざっくりおよそkgf・mを10倍した辺りです。20kgf・mだと200Nm弱くらいですね。

回転が速いほど馬力は上がる
 ここまでの説明で、1馬力は「75kgのものを1秒で1メートル持ち上げる力」と書きました。トルクは「軸から1メートルの距離にあるものを持ち上げる力」です。そう、トルクには「1秒間で」という部分がありませんね。あくまで純粋に「回す力」です。一方で馬力には「時間」つまり「速さ」という要素が含まれます。

 これはつまり簡単に言うと、「馬力はエンジンの回転数が高いほど数字が大きくなる」ということです。たとえば3000回転辺りでは同じくらいの力強さのエンジンでも、片方は毎分4000回転しか回せない、もう一方は毎分8000回転まで回せるとしたら、たくさん回せる方が圧倒的に馬力が強くなります。なので、排気量を変えずにエンジンのパワーを上げる場合には「部品を軽量化したり強化したりして高回転まで回せるようにする」というやり方があります。これを「回転馬力を稼ぐ」なんて、昔はよく言いました。

 高回転型のエンジンは、スペック上の馬力は大きくても「ぶん回さないと力が出てこない」と感じる場合もあります。反対に低回転でトルクが出るエンジンは、街中とかあまりエンジンを回せないところで馬力以上に力強く感じることもあります。

 馬力とトルク。その違いをよく理解して改めてカタログを見ると、そのクルマのエンジンの性格がちょっとわかるかもしれませんね。

(まいどなニュース特約・小嶋 あきら)
まいどなニュース

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