何で、ピエール瀧を出すの?

YOUはともかく、何でピエール瀧を出すの?カレじゃなくても、このテーマで話せる相応しい相手は、芸能人にいくらでもいる。そうせずに、とにかくピエール瀧を出したいの?

芸能人、評価基準が甘過ぎる。何かの芸を以てメディアに出る。放送やメディアがスポンサーを得ているコトから、スポンサーイメージを背負っている。広告代理店が入っていれば、人選信用問題もある。

ピエール瀧他の犯罪を犯した者や不倫他の不祥事を冒した者或は経歴詐称して出た者は、それらのイメージや信用を損ね、ダマして来たのだ。ソコまで稼いだ分についてはイメージ詐欺だ。

一般人なら、人生アウトなのだ。芸能人なら、芸能人になれば、ピエールでも清原でも復活できるの?それはおかしい。一般人がアウトなら、芸能人もアウトだ。

カレに楽しいなどと、語れる人生ならヌルい。

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「夢や目標がなくても楽しい」ピエール瀧とYOU、寄り道が作る「自分らしさ」の足跡
4/10(日) 17:30 Yahoo!ニュース
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電気グルーヴのメンバーとして音楽活動を続けながら、俳優としての顔も持つピエール瀧。バラエティー番組に数多く出演するかたわら、モデルや女優としても活動するYOU。共にジャンルにとらわれない活躍を見せているが、どちらも「夢や目標は特になかった」という。

「自分らしい生き方」を体現しているように見える2人は、仕事に、家族に、どう向き合ってきたのか。プライベートでも仲の良い、“似たもの同士”の会話に耳を澄ませる。(取材・文:井上マサキ/撮影:栃久保誠/編集:黒木貴啓(ノオト)/Yahoo!ニュース オリジナル RED Chair編集部)

目標なく来た2人 「出港後」に「じゃあやります」の人生
 
撮影:栃久保誠
バラエティー番組などで長らく共演を重ねてきた2人だが、最初の出会いを聞いてみると、そろって「いつだっけ……」と仰向いた。YOUは1988年にバンド・FAIRCHILDのボーカルとして、瀧は91年に電気グルーヴのメンバーとしてメジャーデビュー。2組のデビューには「バブル崩壊」という境目があった。

YOU:デビューしたころって、まだバブルだったのね。レコーディングなんか好きなだけできたし、「ロンドン行きた~い!」って言ったら「そっか」って連れてってもらえたりしたの。で、何年かやってたら、バブル崩壊とともにバンドブームが終わっちゃって。

瀧:そうか、電気(グルーヴ)とかスチャ(ダラパー)がデビューしたころって、バンドブームが終わったあとだから。「人生」っていうインディーバンドをやってた時期があって、それが終わって「自分たちが好きな音楽を好きなようにやろう」って始めたのが電気グルーヴなのね。だからデビューへの意気込みはあまりなかった。レコード会社から「プロでやらない?」って誘われて、「じゃ、やっときます?」みたいな感じ。

 
撮影:栃久保誠
YOU:そうなんだ。あたしも今までやってきたこと全部、誰かから声をかけていただいてここまで来ちゃったから……。

瀧: YOUはどういう流れからFAIRCHILDでデビューしたの?

YOU:高校3年のとき、竹下通りを歩いていたら「モデルやりませんか?」ってスカウトされたの。でも当時はバブルだから、もうそこらじゅう、みんなモデルなのね。「どんぐり投げたらモデルに当たる」って言われたくらい。

瀧:まだ「読モ」みたいなのがない時代だから、声かけられて出たらもう「モデル」なんだ。

YOU:それでモデルの仕事を続けてたら、事務所の方針で急にラジカル(※)に入れられたの。20歳の素人の女の子がいきなりサブカルの真ん中に放り込まれたから、もうカルチャーショックで。

ラジカル・ガジベリビンバ・システム宮沢章夫中村ゆうじいとうせいこうシティボーイズ大竹まこと、きたろう、斉木しげる)らによる演劇ユニット。

瀧:それはさ、FAIRCHILDをやる前でしょ? ということはモデル&女優スタートじゃんか。

YOU:あれは女優って言わないな……。ホントに素人。ただの素人が「行け!」って言われて行っちゃっただけ。こういう「知らないところに放り込まれる」ってパターンが多くて、「ごっつ」(『ダウンタウンのごっつええ感じ』、フジテレビ系)もそうだったし。変な修業の仕方してるんだよね。

 
撮影:栃久保誠
瀧:とりあえず船に乗せられて出港したあとで、「なにここ!?」みたいな。

YOU:でも「そうなんですね。じゃあやります」って、意外とそこでやろうとするの。FAIRCHILDも、ラジカルに出てるのを見たバンマスから「バンドやりたいからボーカルやらない?」って誘われて、「え~? ボーカル~?」って言いつつ、やる、みたいな。

瀧:「バンドで売れよう」みたいな目標って、当時あった?

YOU:あたしはなかった。周りは「武道館やってこそ一人前」みたいな感じだったけど、そういうとこ目標にやってたわけじゃないもん。瀧もそうでしょ?

瀧:うん。ラジオや雑誌で認知はされていたけれど、「売れる」ことは目標じゃなくて。自分たちがやりたいことを形にしたい気持ちが、先にあったと思うな。

「また呼んでもらう」とは思わない。求められるものに全力で応えるだけ
 
撮影:栃久保誠
2人の活動は音楽だけにとどまらない。タレント活動はもちろん、ドラマや映画では役者として独特の存在感を示してきた。しかしお互いプロの役者ではないため、「呼んだのはそっちだから」と肩に力を入れ込まない。飄々(ひょうひょう)としたスタイルの裏には、請けた仕事に真摯に向き合う「プロ」としての信条があった。

YOU:瀧はさ、最初に役者をやったのはなんだったの? 覚えてる?

瀧:Vシネの作品で、レンガで頭をたたき割られて死ぬ役(笑)。というか実はね、もともと映像制作会社でバイトしてたことがあるの。電気グルーヴ結成前に、1年くらい。

YOU:ほぉ~! 初耳!

瀧:21歳のときかな。「人生」が終わったあと映像の仕事がしたいなと思って、四谷三丁目の制作会社を紹介してもらったのね。小さい会社だから、現場の準備とか、機材車の運転とか、お弁当買いに行くのとかも全部やってた。

YOU:そうなんだ~!

 
撮影:栃久保誠
瀧:そのバイトは電気でメジャーデビューしたときに辞めたんだけど、何年か経って役者の仕事に呼ばれたら「懐かしいな、現場のこの感じ」ってなるわけ。どんな準備をしているかわかるし、予算によって現場の規模も違う。それが面白くて。だから「役者」という役割をもらいつつ、半分現場見たさに行っていた感じなんだよね。

YOU:「電気グルーヴ」っていうホームがあるから、他のところにも行きやすかったんじゃない?

瀧:最初のうちは言い訳にしていた部分もあったかな。「だって俺、電気グルーヴですから。できなくてもしょうがないでしょ」みたいな。でも呼ばれるうちに、「こんな感じかな」と考えたりするのが、だんだん面白くなっていった。

YOU:あたしも「呼んだのはそっちだからね」っていつも思ってるけど……。

瀧:おんなじ(笑)。

YOU:でも、できることは一生懸命やる。プロの役者さんじゃないけども、自分にやれることはちゃんとやりたいじゃない?

瀧:本当にね。最初はさ、人前で演技をするのって、抵抗なかった?

YOU:っていうか、あたしは演技をしてないもん。できてないし、してない。

瀧:天才女優さんの発言じゃないですか。

YOU:やめろ!(笑)。昔はね、「あの女優さんだったらどうするのかな」って考えてたの。若いころはイケている女の人の役とか、ちょっとぶっ飛んだ役とかをもらっていたから、考えないと全然わからなくて。でも最近、役が自分に近づいてきて、すごく楽になった。

 
撮影:栃久保誠
瀧:何かをまとわなくてもよくなったんだ。

YOU:そうそう。年齢的におばあちゃん役だったりするの。それってリアルに近いから、そのまま出ちゃってるんだと思う。瀧は、ヤクザとか怖い人とかの役が多いよね。やっぱり似合うしね。

瀧:まぁ「昭和顔」だと言われますけども(笑)。呼んでもらえるのは、雰囲気が役に合ってるからだろうと思うし、あとたぶん、2人ともがっついてないのもあるのかな。「ここで自分の評価を上げよう」とか思わないし。

YOU:「また呼んでもらおう」とか、「これを観た人に認めてもらおう」とか、そういうことは一切考えてない。その場でできることを頑張る。評価って、自分で決めることじゃないから。

瀧:逆に、「こうすれば次も呼ばれるはず」という“答え”が出るようになったら、終わりなんじゃないかな。

YOU:ね。そんなこと考えるんだったら、せりふをちゃんと読み込みなさい、と。

瀧:“答え”があると、「自分のいいところはここなんだ」って現場で出しにいっちゃう。でも、現場には現場の「ほしいもの」がやっぱりあるわけで、それは映画でもバラエティーでも同じ。場で求められるものに、いかに応えられるかなんだろうなと思うよね。

コロナ禍で気づいた、「一個ギアを落としてもなんとかなる」
 
撮影:栃久保誠
2019年、瀧は麻薬取締法違反容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。さらに翌2020年には、新型コロナウイルスが猛威を振るう。仕事がキャンセルになり、2人ともステイホームを余儀なくされた。

YOU:もう、すごい昔の気がするけど……。逮捕されたときはそこまで心配してなかったのね。友達だし。ただ、「会いたいな」って思って。

瀧:連絡くれたもんね。

YOU:周りがワーワーしてたから、ちょっと落ち着くのを待ってね。で、「ご飯食べに行こうよ」って誘ったら、瀧が「きたろうさんに会いたいなぁ」って言うから、3人でご飯食べに行った。

 
撮影:栃久保誠
瀧:以前と全然変わらない感じで接してくれたから嬉しかったよ。別に説教するわけでもなく、普通にご飯食べる感じで。そういうことをしてくれた人って、付き合いが長い人ばかりだった。何年も連絡とってなかった人が、家に来てくれたりとか。こういう人たちに見守られてるんだなって。

YOU:そうだよ。ありがたがって?

瀧:……ありがとう。

YOU:……いいよ。

2人:(笑)

 
撮影:栃久保誠
YOU:でもさ、あの後コロナ禍になって、結局あたしも仕事が休みになっちゃったじゃない? 瀧は何してたの?

瀧:お休みのときは……家のことやってた。新しいものを始めるって選択肢もあったけど、やってみてうまくいかないと、やっぱりしんどいでしょ? 家事とか、料理とか、今まで家でやってたことの精度を上げようかなと思って。

YOU:前から料理してたんだ。何を作ってくれるんですか?

瀧:低温調理器を導入して、ローストポークを仕上げてみたりとか(笑)。

YOU:マジで。

瀧:ちゃんとレシピに書いてある通り、分量をきっちり量って、言われたようにやろうと思ったの。日本酒ドボドボ!って感じだったのを、「大さじ2杯か」って。そうしたらやっぱり、仕上がりが違うのね。なんか、ラボみたいな感じで面白いなと。

YOU:あたしもずっと家にいたし、真面目に料理してたな。一人だったらたぶんやってないんだけど、息子がいるからちゃんと作ってたよね。

瀧:変な言い方だけど、ずっと家にいたことで「行間が長くてもいいんだ」って思えた。もちろん、困っている人もいるし、しんどい思いをされている方もたくさんいるんだけど、「やらねばならん」というモードから、一個ギアを落としてもなんとかなるんだなって。

YOU:瀧はさ、それまですごい量の仕事してたじゃない? 家族と過ごす時間とかはあった?

瀧:当時は本当に忙しくて、家族が寝ているときに帰ってきて、起きる前にそーっと出ていくことも結構多かった。子どもが小学生のころは運動会とかも行ってたけど……。なんだろう、子どもにとって理想の「いいパパ」があると思うんだけど、お父さんを初めてやるからさ、家にいても結局何が正解かわからないんだよね。

YOU:それはちょっと言いたいよね! うちもあるよ。「こっちも初めてなんだよ」って。

瀧:将来子どもから「あの時はさ!」って言われることもあると思うの。でも「俺も初めてやるから、わからなくてごめんな」って返すしかないこともあるなって。

YOU:あたしもホントにわからなくて。異常に厳しくしちゃったり、抜けてたりしたところもきっとあるし。8人くらい育てればわかるのかな……でも、8人全員違うだろうからやっぱりわからないか。

砂浜に残った足跡を振り返って、初めて「自分らしさ」が分かる
 
撮影:栃久保誠
30年以上のキャリアを重ねた今も、2人は「目標を設定したことがない」「行き当たりばったり」と話す。無理に背伸びをすることなく、目の前の仕事を楽しむ。その姿は「自分らしい生き方」を体現しているように見える。

YOU:デビュー当時、夢や目標を聞かれて「別にないかな……」って答えると、周りにすごい驚かれたの。意味がわからないと。あたしは逆に、夢や目標に向かっていく人たちがとても新鮮で。すごくかっこいいし、一緒に仕事をしても面白くって、出会うたびに「あたしにはないなぁ」って実感してた。別に平気なんだけどね。「しょうがないや、ないもん」って。

瀧:ないものはないっていうね。

YOU:そう。……あ、でもあった。目標。「こんな感じで生きていけたらいいな」っていうのは、ずっと思ってる。

瀧:そうだねぇ。今日話してみて思うけど、我々って結局、寄り道の産物じゃん?

YOU:えぇ、そうですね(笑)

 
撮影:栃久保誠
瀧:どこかに向かっていたわけじゃなくてさ、ふらふら歩きながら、「この茂みなに?」ってのぞいたり、「なんか箱があるから開けてみよ」って開けたり、それで「へぇ~」ってやってたら、こうなったわけじゃない。これはこれでさ、そんなに悪くないよね?

YOU:超楽しいよ。フラフラするの好き。

瀧:夢や目標を持つこと自体は、とても素晴らしいことだと思う。でも……目標に全ての視野を集中しちゃうことで、かたわらに落ちているいろんな花や宝石に、目がいかなくなっちゃうこともあるんじゃないかな。

YOU:うん、うん。

瀧:「きれいな花が咲いてる!」とか「野いちごだ! すっぱ~い」とかやってると、「君さっきから楽しそうだね」っていう人に出会えたりするからさ。「一緒にお肉でも焼かないかい?」って誘われて、ついて行ったりしてね。で、それがきっかけで後の“焼き肉王”になった……みたいな道だってあると思うんだよね。

YOU:向き不向きもあるんじゃない? 若いときはわからなかったけど、あたしは寄り道がすごく性に合ったんだなって今は思う。ずいぶん長いことやらせていただいてるけど、ずっと楽しいから。

 
撮影:栃久保誠
瀧:振り返って初めて「自分らしく生きている」のがわかるってことだよね。リアルタイムで「これが自分らしいかどうか」なんて、わからないもの。振り返ると砂浜に残った足跡があって、「ここで蛇行してるな」とか、「あそこでヘビの穴を見に行ってるな」とか、痕跡が残ってたりする。そういうのを見ると「あぁ、自分らしいな」って思うんだろうね。

YOU:そう考えると、やっぱり現場に呼んでもらえるのって、ありがたいなって思う。呼んでもらえなくなったら、必然的に全部なくなるわけだから。呼んでもらえなくなるまでは仕事を続けたいな。

瀧:事件のあとでも、「映画出てよ」って声をかけてくれる人もいるし、呼んでくれる人には全力で応えたいって気持ちは以前より増したかも。呼ばれた場、呼ばれたプロジェクトに、ちょっとでもプラスを返せるようになりたいなって思うよね。

YOU:それだけ、だよね。そこしかない。

ピエール瀧
1967年、静岡県静岡市出身。1989年に石野卓球らと電気グルーヴを結成、パートはVocal/Taki。音楽活動の他、プロデュース業やタレント業、漫画原作、ゲームや映像制作など、ジャンルを問わず幅広く活躍。俳優・声優としての活動も多く、様々なドラマ・映画に出演。

YOU
東京都出身。1988年にバンド・FAIRCHILDのボーカルとしてデビュー。フジテレビ系『ダウンタウンのごっつええ感じ』を機に多くのバラエティー番組に出演。モデル、エッセイスト、女優と幅広く活躍し、2004年の映画『誰も知らない』ではキネマ旬報ベスト・テン助演女優賞を受賞した。


【RED Chair+】
2人の本音に迫る『RED Chair+』。家族、戦友、ライバル、師弟など、この関係だからこそ語れることに踏み込みます。

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