広岡達朗が挙げる、桑田真澄4つの謎について

V9巨人前半、長嶋茂雄と鉄壁の三遊間を支えた広岡達朗、ヤクルトや西武で日本一チームを作り上げたヒトだ。

カレが挙げる桑田真澄4つの謎

1、巨人は桑田を15年無視して来た

2、桑田に他球団からのオファーはない

3、桑田は1ヶ月遅い就任発表

4、桑田理論による育成論不一致

2に関して、広岡サン、多少誤解はあるように思う。巨人が江川同様、桑田を"据えたくない人物"と扱って来たのは事実だが、桑田には横浜から監督候補のオファーがあった。横浜のGMを勤める、元巨人"塀際の魔術師"高田繁中畑清桑田真澄工藤公康をノミネートし面接した。中畑に決定したのだが。

1と2に関して、広岡サン、江川を超えた桑田問題、忘れた?ボケてる?入団に至る経緯は江川程度だった。しかし、入団後、"西本を破産寸前に追いやったオトコ"に資産運用を任せ、瞬く間に20億を超す借金地獄に堕ちた。それを読売が保証人になったから、桑田は野球できたのだ。巨人ではよくある話だ。高橋由伸の父親の不動産負債20億を読売が肩替りするコトで、ヤクルトから逆転で逆指名を勝ち獲ったし、阿部や上原や二岡らに10億くらいの裏ガネを投じて来たコトも、清武レポートで露見した。その借金問題あったから、MLBすら桑田獲得は考えなかった。こんな裏ガネ処理しても、カレらからその金額を超える成果が得られたとは、サラサラ思わないし、読売も桑田には関わりたくないと思っていたハズ。他球団は尚更だ。

3に関して、今の巨人、特に原辰徳配下にちゃんとした野球理論を持っている人材はいない。アマチュア時代にキチンと鍛練し勝ち抜いた経験者はいないし、大学や社会人出身でも野球バカばかりだ。巨人歴代選手の中でも、桑田くらいしかいない。しかし、読売にも巨人にも反対や懸念は高く、就任調整には時間を要した。

4に関して、桑田真澄内に於けるパラドックス(矛盾)だ。170センチソコソコの桑田がPL高でエースになり、5期甲子園、1年夏と3年夏制覇のは、高校時代の走り込み&投げ込みなど鍛練に依る。その土台があったから、プロでもシビアにトレーニングでき、あのダイビングさえなければ、手術なくプロ生活を全うできたのだ。しかし、カレ自身、PL高でのハードトレーニングは監督コーチや先輩のシゴキやハラスメントだと思ってやって来たようで、早大東大大学院のスポーツ理論を受け入れたベースになっている。

人間に於いて、中高生の年代にアタマもカラダも鍛練のベースを作らなくてはいけない。勉強するコトも、カラダの瞬発力も持久力も必要なのだ。その年代を過ぎると、むしろトレーニングで壊れるコトもある。

桑田真澄ダルビッシュ有も、その勉強すべき時期をとっくに過ぎて、都合良くキャッチーな偏った理論に食い付いただけだ。

ダルビッシュ有は体重大増量を田中将大大谷翔平藤浪晋太郎らにバラ蒔き、トミー・ジョン手術や保存療法や投球スランプを招いた。

桑田真澄松坂大輔、本来は高校時代の鍛練を奨励すべきヒトのハズが、ハードトレーニングを監督コーチや先輩のシゴキと誤解し、特に高校野球のタマ数制限派に担がれている。

 

 

 

 

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【5年ぶりBクラス】巨人OB・広岡達朗が指摘する「桑田真澄投手コーチ」の“4つの謎”
10/16(日) 6:02 Yahoo!ニュース
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photo by iStock
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屈辱の4位が確定し、5年ぶりにBクラスで終わった読売ジャイアンツ。CSに進出することもできなかったが、不調の原因はどこにあるのか……。大反響を呼んでいる『巨人が勝てない7つの理由 プロ野球が危ない! 』の著者で、巨人軍OBの広岡達朗氏は“桑田投手陣”に大きな問題があったと分析する。
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「巨人軍復帰」の謎
 
幻冬舎HPより
 2021年のキャンプが始まる直前の1月、原巨人がサプライズ人事を打ち上げた。かつてのエース・桑田真澄を一軍投手チーフコーチ補佐に招聘(しょうへい)したのだ。

 原監督は記者会見で「新年早々、こいつは春から縁起がいい。ジャイアンツにとっていいニュースを発信することができることになりました」とご機嫌だったが、このサプライズ人事にはわからないことが多すぎる。

 原は前年末に山口寿一オーナーに桑田の入閣案を相談して快諾を得たという。桑田の上司になる宮本和知投手チーフコーチにも同意を得て、年明けに直接桑田に伝えた。報道によると、桑田も「またジャイアンツのユニフォームを着られることになり、『うれしい』の一言に尽きます」と語ったそうだ。

 それはそうだろう。なにしろ現役を引退してから15年ぶりの古巣復帰である。

 原は桑田を入閣させた理由について、「野球人として、人間力、生きざまが非常に私自身もすごく興味がある。すごく勉強になる人だな、と思いました。ぜひ、そういう人にジャイアンツのスタッフに入ってもらって、ジャイアンツをつなげて、育てていってもらいたいと思いました」と語る。

 しかし巨人復活の救世主として桑田に白羽の矢を立てたのなら、なぜ球団はこれまで15年も彼を無視してきたのか。

 この間、桑田は米大リーグにも挑戦して失敗。帰国後は野球評論家をしながら早稲田大学や東大の大学院でスポーツ科学を勉強した。

球団方針とは異なる桑田の「科学野球論」
 2つ目の謎は、これまで桑田が巨人だけでなく、どの球団からも指導者としてのオファーがなかったことだ。

 2013年には東大野球部の特別コーチも務めたというが、私がいつもいうように、教えたことを頭で覚えるだけなら東大が一番だ。しかし野球はそんなに簡単なものではない。理論や知識は大事だが、学んだことを繰り返し練習し、体に覚え込ませなければうまくならない。東大はその後も六大学で万年最下位である。

 そして3つ目の謎は、巨人が日本シリーズソフトバンクに4連敗した直後の2020年12月に、宮本投手チーフコーチを含む一軍コーチ陣を発表していることだ。

 その後、桑田の招聘まで1ヵ月の空白がある。私は桑田の追加入閣は読売新聞サイドの圧力かと思ったが、担当記者などの情報によるとそれはなかったらしい。

 桑田の採用は原の独断だったとすると、3年契約の最終年を迎えていた原が「宮本チーフコーチではダメだ」と判断したことになる。

 4つ目の問題は、桑田の野球理論である。彼がテレビ中継の解説で強調している「投手はいつでも外角低めにストライクを投げる技術を持っていれば打たれない」という考えは正しい。

 根性論や「質より量」のスパルタ練習を嫌う桑田は、就任日の所信表明でも「我々の時代は『たくさん走って、たくさん投げろ』だったが、いまはテクノロジーの進化で投げているフォームもコマ送りで見られる。実際の感覚、イメージに科学的根拠を添えて指導していきたい」と語っている。

 ここで気になるのは、次期監督候補といわれる阿部慎之助をはじめとするコーチ陣の考えと大きな違いがあることだ。

「閣内不一致」の巨人
 たとえば2020年12月の異動で二軍投手コーチから一軍投手コーチに昇格した杉内俊哉は、ソフトバンクの豊富な練習量を参考にして投手王国をめざすことを明らかにした。

 新聞によると、杉内は2012年にFAでソフトバンクから巨人に移ったとき、「(巨人は)ランニング、トレーニング量が少ないと思った」という。

 日本シリーズで巨人に2年連続で4連勝したソフトバンクは、練習量が巨人のほぼ倍だったという。杉内は「若い選手には必ず(これまで以上に)やらせます」「200(メートル)を20本とか当たり前。(巨人の投手も)当たり前にこなしてほしい」と語った。

 その前年まで杉内の上司だった阿部も、二軍を鍛えて巨人野球を底上げすることを指導方針にしている。そこに桑田の科学野球が加わって、「閣内不一致」の巨人は日本一奪回ができるのか。

 もちろん、コーチが自分の意見をいうのはいい。ものがいえない組織はエネルギーがなくなって成果を挙げることができないが、コーチ陣の意見がバラバラでは指導を受ける選手が困る。

 巨人の場合、桑田理論に宮本チーフコーチや杉内コーチが納得して結束するのならいいが、口をつぐんで不満がくすぶるようだと、打倒ソフトバンクのカギを握る投手陣の再建はできないだろう。

原監督の責任
 こんなとき、コーチ陣の意見をまとめてこれまで以上にパワーアップさせるのが監督の仕事だ。あらためていうまでもなく、チームの方針はキャンプで監督が示し、担当コーチたちは監督がめざす野球を実現するのが役目である。野球哲学の違う桑田が途中参加で混乱を招き、結果を出せなかったらサプライズ人事を断行した監督が責任を負わなければならない。

 そして私の不安は現実になった。2021年、日本一奪回の原動力になるはずの投手陣は、セ・リーグ投手成績ベスト10には戸郷が9勝8敗、防御率4.27で9位に入っただけで、チーム防御率は3.63の4位。打率も.242のリーグ5位で、日本一奪回どころかリーグ優勝もおぼつかなかった。

 そしてシーズン後の新体制は原監督が3年契約で続投し、桑田は投手チーフコーチに昇格。前任の宮本投手チーフコーチはフロント入りし、桑田と指導理念が対照的な杉内投手コーチは三軍投手コーチに降格となった。宮本が投手不振の責任を負ってユニフォームを脱いだのだ。

 桑田はかねがね、「投手は先発したら完投するつもりで投げなくてはいけない。完投できる投手を育てたい」といっている。

 正論であり、私も同感だ。しかしそれには基礎体力が必要だ。根性論を嫌い、質より量の練習を否定する桑田理論で、完投できる投手を育てることができるのか。テクノロジーを活用する科学的指導だけで投手が完投できるとは思えないが、チーフコーチとして巨人投手陣を統括する桑田には、先発完投できる投手をそろえて10年ぶりに日本一になる責任があった。

打率・失点・防御率・与四球でリーグ最下位
 ところが今季も交流戦の巨人は12球団中10位で、チーム防御率も11位の4.10。セ・リーグ首位独走のヤクルトに両リーグ史上最速のマジック53が点灯した7月2日時点で、チーム防御率は2位のヤクルトに対して巨人は最下位だった。

 その後も投手陣の崩壊は続く。7月15日から東京ドームで行われた広島戦では3日連続で満塁ホームランを浴びて3連敗。巨人にとっては5月10日以来2度目、今季ワーストの5連敗だった。

 3度目の巨人監督になってから初めて5位に転落した原監督は7月17日、「選手は懸命にやっている。四球の数だとかね、そこは私とコーチ陣の指導が悪いということですよ。我々がしっかり受け止めて、しっかり指導していくことが大事なことだと思いますね」と語って、監督・コーチの責任を認めた。

 終わってみれば、首位を独走したヤクルトと12.5ゲーム差の4位。本塁打163本はヤクルトに次ぐリーグ2位だったが、打率. 242は6位、失点589と防御率3.69はともに6位、そして与四球も最多だった。

 私はテレビ中継で聞いた解説者の話を思い出す。

 「私はキャンプ取材でいろんなチームを見て回ったが、練習量は巨人が一番少ない印象を受けました」

巨人軍が抱える問題はこれだけではない。打撃の軸である「4番」を誰が務めるか、という大きな課題もある。『伝説のOB・広岡達朗が語る「巨人の4番」の資格…岡本和真と川上、長嶋、王の決定的な違い』に続く。
広岡 達朗/週刊現代講談社

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