イタリア・イギリス・アメリカ・フランスなどの車とドイツ・日本車の違い、言わないの?

ランボルギーニカウンタックの最高速度300キロとフェラーリBBの最高速度302キロ、あくまでカタログデータだ。

こういう記事でキチンと書かれていない点が1つある。イタリア・イギリス・アメリカ・フランスらの車のカタログデータとドイツ・日本車のカタログデータでは、意味合いが違うのだ。

民族的違いや学習文化の違いに依るモノだが、イタリア・イギリス・アメリカ・フランスらは目標値や計算値でも良い性能目安だ。しかし、ドイツ・日本は必達性能だ。謳う性能以上を保証するのだ。クルマに限らず、他の工業製品、飛行機や軍艦でもそうだったのだ。

最高速度300キロについては、前世代のランボルギーニミウラやフェラーリデイトナ時点で可能性が見込まれていた。ミウラは377馬力で、デイトナは380馬力で達成可能、顧客向けのオリジナルチューニング次第で達成デキる可能性があった。しかし、ランボルギーニの工業精度に依る性能未達、デイトナは5速では回転数が500回転程度抑えられていた。

ランボルギーニカウンタックフェラーリBBで、進化部分はあった。カウンタックはサイドラジエーター化やデザインに依る投影面積低減、BBはエンジンパワー増しとミドシップ化に依る重量配分。一方ネガ要素は、カウンタックは工業精度は相変わらず、吸気をダウンドラフトにできなかったし、高速でのリヤ抑力不足があった。BBは投影面積が大きかった。

外国では、広大な飛行場などで計測すれば、十分達成可能性はあった。しかし、日本に持ち込むと、高い湿度に依る空気中酸素不足やセッティングノウハウ不足と試験場所の狭さで、300キロ超のテストはされなかった。

しかし、切替徹がフェラーリF40を常磐道で走らせ、324キロ出したビデオを売ったように、それに近いスピードを試せるステージは皆無でなくなったかも知れない。ターボ車なら、酸素密度不足も補える。

 

 

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300km/hと302km/hの争いに少年達は歓喜! 夢のない話で恐縮ですが「ランボルギーニカウンタックLP400」と「フェラーリ365GT4BB」はホントにそんなに速かった?
2023.04.15 18:32掲載 WEB CARTOP 25
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この記事をまとめると

スーパーカーブームの頃の車両のスペックは公称値が正式なデータとして認められていた

スーパーカーの2大巨頭! フェラーリランボルギーニはどっちが買いか

■人気を二分していたカウンタックと365GT4BBの最高速度はそれぞれ300km/hと302km/hとされていた

■しかしながら、カウンタックも365GT4BBも300km/hを出すのは至難の業だった

日本中の子どもたちが憧れた最高速度300km/h超のスーパーカー

いつの時代もカーマニアの憧れの的であるスーパーカー。日本では1970年代の半ばにスーパーカーの一大ブームが巻き起こり、おもに子どもを中心にその存在やパフォーマンス、そしてバックストーリーなどが一気に広まっていくようになった。

当時は当然のことながらインターネットなどという便利なネットワークはなく、洋書もわずかな数が輸入されていたのみといった状況だったから、数少ない情報源のなかから、スーパーカーに関するさまざまな話題が生まれていった。そのなかにはのちに、明らかなオーバースペックだったと判明したものもいくつかあったのだが……。

メーカーから発表されるパフォーマンス・データを、まずはそのままリポートしなければならないのは、いまも昔もかわらない。それが実際に可能な数字であるのかどうなのかは別にして……。メジャーなスーパーカーメーカーのスペックは、現在こそGPSやその他の測定機器を使用して厳密に測定されるが、1970年代当時はスペックシートに記載されたもの、すなわち公称値が正式なデータとして認められていた。

そこで誰もが思い出すのが、フェラーリランボルギーニによる最高速戦争。フェラーリの365GTB4BBとランボルギーニカウンタックLP400という、ほぼ前後して誕生したこの2台のスーパーカーは、日本のスーパーカーブームにおいても欠かすことのできない主役級のモデルだった。

そしてその気になる最高速は、365GT4BBが302km/h。カウンタックLP400は300km/h。300km/hといえば、現在では多くのスーパーカーがその壁を超えるある意味一般的な最高速となってしまったが、1970年代にはそれはまさに夢の数字だったのである。

もちろんそれを実際に体験したものなど、スーパーカーブームの主役であった日本の少年のなかには誰ひとりとしていなかっただろう。だが、300km/hと302km/hとの間に存在するわずか2km/hの最高速の差は、確実に当時のスーパーカーの世界にひとつのヒエラルキーを作り上げたのだった。

実際は空力的にもスペック的にも300km/h超を出すのは難しい

それでははたして実際に、この2台はそれほどの最高速を可能にしたのか。筆者自身は365GT4BBの最高速にチャレンジした経験は残念ながらないが、一方のカウンタックLP400では、谷田部の高速周回路でそれを試したことがある。このとき実際に記録された数字は260km/h前後だったと記憶しているが、これはエンジンルーム内のエアロダイアミクスの影響で、ここまでの速度域になると車体の安定性が大きく損なわれたことが直接の理由だった。

参考までにこのカウンタックLP400がミッドに搭載していたエンジンは4リッターのV型12気筒DOHC24バルブエンジンで最高出力は375馬力。300km/hの壁に挑むには、このスペックではやや物足りなかったことも事実だった。

一方のフェラーリ365GTB4BBはどうか。こちらは4.4リッター仕様のV型12気筒24バルブエンジンで380馬力の最高出力であるから、性能面ではカウンタックLP400のそれと大きく変わるところはない。

最高速の決め手となるのは、かたやベルトーネ(マルッチェロ・ガンディーニ)による前衛的なデザインを得たカウンタックと、かたやピニンファリーナ(レオナルド・フィオラバンティ)による流麗なシルエットを持つボディの空力の優劣ということになるだろう。

外誌のテストによれば、365GTB4BBの最高速はやはり280km/h前後というデータが多く得られている。

カウンタックも365GTB4BBも、残念ながらよほどベストな条件が揃わなければ300km/hの壁を超えることはできなかったというのが実際のところだったのだろう。

だが、スーパーカーというものはそれでもよいのだと個人的には思う。いまやスーパーカーを超えたハイパーカーの世界では、オーバー400km/hの最高速がスペックシートに掲げられることも珍しくなく、そのいくつかは最新の設備によって実測されてもいる。自動車の最高速戦争、それはこれからもカーマニアの心を刺激して止まないのだ。

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