リトラクタブルヘッドライト、あくまで機能美!

リトラクタブルヘッドライト、本来は各国規制でヘッドライト高さは決まっている。だから、点灯時にその高さになり点灯しない時は収容される形にしている。ソレに依り、点灯時の規制遵守と平常時の空力を両立させる機能美だった。本来は固定式にしたかったのだ。しかし、ソレが規制緩和に依り、低いままで良くなった。ヘッドライトの小型化と成形技術の進歩で、ニッサンのZ32辺りから固定式に、フェラーリF40⇒F50でもヘッドライトはリトラクタブルヘッドライトから固定式に変わった。ランボルギーニディアブロは、ニッサンZ32のヘッドライトを一部隠しつつ取り付けた。

絶滅?単なる進化だ。逆に、ヘッドライトもキチンとデザインに組み込まなくてはならない。ニッサンZ34キャリーオーバー車両みたく、カーズ丸パクりのような貼絵のような不細工仕上になっては意味がない。

 

 

 

 

 

 

 

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クルマのお手軽変身機能!!「リトラクタブルライト」はなぜ絶滅したのか?
2023.06.11 01:02掲載 ベストカーWeb 10
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1970年代後半に大旋風を巻き起こしたスーパーカーや、1980年代に若者を夢中にさせたスポーツカーやスペシャリティカーの多くが採用していた、リトラクタブル(格納式)ヘッドライト。空力性能に優れ、何よりもスマートでフロントノーズが精悍に見えますが、あれだけ流行ったのに、現在は量産車の採用例はありません。

かつてはスポーティなクルマの象徴的な装備として流行った、リトラクタブルヘッドライトの辿った軌跡と廃れた理由について、ご紹介します。

クルマのお手軽変身機能!!「リトラクタブルライト」はなぜ絶滅したのか?

文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
写真:HONDA、TOYOTAMAZDA

国産車初の採用はトヨタ2000GT、普及の火付け役はサバンナRX-7

「リトラクタブルヘッドライト」とは、普段はヘッドライトをボンネット前端部に格納し、点灯時にポップアップしたり、反転して突出するヘッドライトのこと。フロントノーズを低くシャープにデザインでき、空力性能も向上できることから、1970年代から1980年代にかけてスポーティなクルマの象徴的な装備として人気となっていました。

米国では、すでに戦前に誕生していたリトラクタブルヘッドライトですが、国産車で初めて採用したのは、1967年に登場した「トヨタ2000GT」です。1970年代後半には、日本でスーパーカーブームが起こり、ランボルギーニカウンタック」やフェラーリ「365GT4BB」など多くのスーパーカーが採用していたことから、リトラクタブルヘッドライトが注目を浴びますが、国内での流行の火付け役となったのは、1978年に登場したマツダの「サバンナRX-7」です。

以降、トヨタ「スプリンタートレノ(AE86)」、トヨタセリカXX(2代目)」、三菱「スタリオン」、日産自動車「シルビア(2代目)」、ホンダ「プレリュード(2&3代目)」、マツダ「ユーノス(NA型)ロードスター」などが採用したことで、スポーツカーや当時ブームになっていたスペシャリティカーの定番装備となり、ホンダ「アコード(3代目)」やトヨタターセル/コルサ(3代目)」といった大衆車まで、採用は拡がりました。

実は、リトラクタブルヘッドライト普及の背景には、見た目のかっこよさだけでなく、北米の安全基準に適合するためという理由もありました。当時のヘッドライトに要求された安全基準の地上高を満たすことと、低いノーズのスタイリッシュなデザインを両立させる手段が、リトラクタブルヘッドライトであり、世界最大の北米市場に輸出するためには、必須装備だったのです。

国産車として始めてリトラクタブル(ポップアップ式)ヘッドライトを装備したトヨタ2000GT。低いノーズを実現するために採用され、グリル横の大きなフォグランプの後方にヘッドライトが格納されている

1978年に登場したサバンナRX-7。洗練したスタイリングとロータリーエンジンの力強い走りで若者を魅了

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安全基準で普及したリトラクタブルヘッドライトだが、消えた理由も安全基準

当時は「スポーツカーといえば、リトラクタブルヘッドライト」というほど流行しましたが、2000年を迎える頃にはすっかり廃れ、日本では2002年に生産を終了したマツダの3代目「RX-7」、世界では2005年に生産を終えたGMシボレーの「コルベットC5」が、リトラクタブルヘッドライトを採用した最後のモデルとなっています。

リトラクタブルヘッドライトが採用されなくなったもっとも大きな要因は、普及のきっかけでもあった北米の安全基準が緩和されたことです。1990年代に入ると、北米のヘッドライトに関する規格や高さの規制が緩和され、リトラクタブルヘッドライトを採用しなくても、ある程度シャープなフロントノーズが実現できるようになりました。そのほか、保安基準の突起物規制で、歩行者との衝突事故時に引っ掛けたり、大ケガを引き起こすボディの鋭い突起物がないことが定められたことで、リトラクタブルヘッドライトを採用することが難しくなったことも、衰退の原因になりました。

また、最近普及しているプロジェクターヘッドライトのようなヘッドライトの技術進化も、リトラクタブルヘッドライトが不要となった一因になりました。配光が自在にコントロールできるようになり、ヘッドライトのレンズをスラントさせたり、レンズ形状を自由に変更できるようになったことで、空力性能への影響を軽減できたのです。また、リトラクタブルヘッドライト装着によるコストアップや重量増加なども、大きな障壁でした。

国産車として最後のリトラクタブルヘッドライト採用車(2002年生産終了)となった3代目「RX-7

復活のためのハードルは高いが、可能性に期待したい!!

現在、極少量で限定販売されているスーパーカーでは採用している例もあるリトラクタブルヘッドライトですが、前述したように、量産車では世界的にみても17年以上、採用したクルマはありません。ヘッドライトの技術も進んでいる現在、コストや重量面でハンディのあるリトラクタブルヘッドライトを選ぶ理由はなく、おそらく今後も出現する可能性は低いと思われます。

しかし、薄め目横長のLEDヘッドランプが多い昨今のクルマにおいて、ウィンクするように開く大きなリトラクタブルヘッドライトはむしろ新鮮。コストと重量のハンディは避けようがありませんが、安全性やオートライトなどとの相性をクリアすれば、多少割高になっても、デザイン性に特化したクルマやBEVのような先進的なクルマの装備として、再登場する価値はあるのではないか、とひそかに期待しています。

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