ニッサンZ、もはや、フルチェンジですらない。

型式はZ34のまんま、離れて見たら、代わり映えない。まごうコトなきマイチェン!

トイ・ストーリー実写化したような雑な造形、歳月とカネをかけたコトを無意味化したデザインに、GT-Rより明らかに格下のエンジンを積んだ。

そもそも、Z31⇒Z32のチェンジ解釈を誤ったのではないの?

ロングノーズショートデッキから、ショートノーズ化し大エンジン搭載に合わせた拡幅をしただけのハズ。エンジンは確かに、3リッターV6でツインターボ有無だけの差になったのだし。

それを、単にチープにしたカマロやトランザムに仕立ててしまった。

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新型Zは過去に縛られた? デザインに見るカーマニアの葛藤
9/3(金) 11:00 Yahoo!ニュース
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ベストカーWeb
 2021年8月18日、リモートで正式発表された新型フェアレディZ。日本では今冬の発売が予定されている。

【画像ギャラリー】Zらしい、Zらしくない、自分ならこうする etc……新型フェアレディZのデザインを考える

 2020年9月にプロトタイプが公開されてからというもの、そのデザインについて何かと話題になっている。「当時と安全基準が違う中でよくここまで初代に似せてくれた」という声もあれば、「どうせ似せるならもっと徹底的に似せてほしかった」という声もある。

 新型フェアレディZのデザインについて清水草一氏に考察してもらった。

文/清水草一、写真/NISSAN

■このデザイン、Zらしい?それともZっぽくない?
 
2021年8月、新型フェアレディZが正式発表された。プロトタイプと大きく変わった部分は見つけられなかった。このデザイン、あなたならどう見る?
 8月18日、リモートにて、新型フェアレディZが正式発表された。日本での発売は今冬とのことだ。

 リモート発表なので、当然実車は見ていないが、昨年発表されたプロトタイプから変更された部分は、特に見つけられなかった。あったとしても間違い探しレベルの小さなもので、フォルム全体の印象は変わらないだろう。

 で、どうだろう、このデザイン?

 世界中で、飛ばせる場所はサーキットくらいになり、スピードが一種「空想上のもの」になりつつある現在において、スポーツカーはデザインが命。次に操作感とかそういう感性的な部分ではなかろうか。

 加えて伝統や歴史などのステイタス性だ。スーパースポーツカーの場合はステイタス性の比重が極端に高くなるが、Zくらいのスポーツカーは、見た目が一番重要だと考えている。

 で、その見た目は、新しさよりもクラシカルであることに価値がある。Zのような歴史あるスポーツカーならなおさらのこと。なにしろスポーツカーには未来がない。少なくとも見えないのだから、見るなら後ろ(過去)しかない。

 そういう意味で新型Zは、明確に回顧的なデザインになっている。シャシーベースは先代のキャリーオーバーなので、プロポーションそのものは先代から大きく変わっていないが、フロントオーバーハングの延長でロングノーズ感を演出し、ディテールは最大限、初代や歴代Zの雰囲気を出そうと努力している。

■スポーツカーは過去にしか向かいようがない
 
初代と並べてみると、似ているところ、違うところがよくわかる。スポーツカーの未来は不透明で、未来的デザインなど探りようがない。だから過去へと向かうのだ
 昨年、プロトタイプが公開された時は、クルマ好きの間では肯定派と否定派が拮抗していたように感じる。

 肯定派の意見は「初代やZ32のイメージがあってカッコイイ!」といったもので、否定派の意見は「初代っぽくしてるけど、これは違う!」といったもの。

 つまり、肯定派は「初代っぽいから好き!」で、否定派は「初代っぽさが足りない!」。

 「ぜんぜん新しいZにすべきだった」という意見は、私の知る限り皆無だった。まさに、スポーツカーが向かうべきは過去なのである。

 で、改めて新型Zの写真を眺めてみて、どうだろう。

 今回公開された写真はブルー。マンガ『湾岸ミッドナイト』に登場する悪魔のZはミッドナイトブルーだが、それを彷彿とさせるような濃いブルーだった。

 昨年公開されたプロトタイプはイエローで、日本でのZのイメージからすると、ちょっとカジュアルでフレンドリーすぎる面もあった。ボディカラーが濃いブルーになっただけで、ずいぶんとZらしく見えるようになったのではないだろうか。これが白や黒なら、さらにZっぽさが増すかもしれない。

 日本のクルマ好きの評価も、上昇傾向にあるのではないだろうか。

 私は昨年のプロトの段階で、「期待をはるかに上回るカッコよさ!」と思った。それはつまり、期待以上に初代のイメージに近く、完成度も高かったという意味である。

 が、否定派の意見は、「直6じゃなくV6搭載なのでノーズの長さが足りない」というのと、「フロントフェイスがマヌケすぎる」というのが2大勢力だった。

■直6回帰に舵を切れるのは一部メーカーのみ
 
新型Zを正面から見る。どうだろう、どーもくんに見えるだろうか
 直6かV6かという部分は、現在の日産のエンジンラインナップを考えたら、さすがにないものねだりだ。「世界の趨勢は直6回帰なのに」という意見もあるが、それはメルセデスだからできること。

 「ジャガー・ランドローバーも直6を復活させたし、マツダも開発してるじゃないか!」と言われればその通りだが、大赤字状態の日産に「直6を出せ」というのはかわいそうすぎる。それはもうイジメである。

 Zに積まれるV6ツインターボは、スカイライン400R搭載のものがベースだ。さらなるパワーアップの噂もあるが、北米仕様に関しては、400Rと同じ405馬力と発表されている。

 あのエンジンは、近年のツインターボの中でも大傑作。太い低速を持ちながら、回すと「ドカーン!」というパワーの盛り上がりがある。

 現在のBMW直6ターボよりもドラマッチックで、数値以上に快感度は高い。あのエンジンがMTでも味わえるだけで、ノーズの短さを補って余りあると考えるべきではないだろうか!

 「顔がマヌケ」というのは、確かにイエローのプロトを真正面から見ると、四角い口に楕円形の目をしたNHKキャラクター『どーもくん』に似ていた。

 しかし、どーもくんに見えるのは、低い位置から真正面を見たときだけで、少し角度が付けばどーもくんにはならない(笑)。どーもくんに見える角度はピンポイントなので、現実にはほぼありえない。

■まるっきり『コピー』より『オマージュ』くらいがちょうどいい?
 
テールランプは32Zのオマージュだが、テールの形状が異なるので面影は薄い。むしろ180SXっぽく見えないこともない
 守旧派にすれば、「初代や2代目みたいなバンパーがない」「かといってGノーズでもない」というのも否定材料だったが、さすがにそこまでまんまオマージュにすると、ニセモノっぽくなってしまう。

 たとえば、フォードGT40のリメイク版であるフォードGTの初代(05年)は、あまりにもオリジナルに忠実すぎて、贋作に見えてしまった。新型カウンタックにも若干その気配がある。

 その点、新型Zはちょうどいい。この程度のモダン化はあってしかるべきで、ないと逆にデザインとして致命的。濃色の新型Zの顔は、シンプルでモダンでありながら初代を髣髴とさせる、なかなかの出来ではないだろうか。

 むしろ私が残念なのは、テール周りだ。テールランプは32Zのオマージュだが、テール形状そのものがかなり異なるので、そのイメージは希薄。むしろ、今までのZとはかなり別の、特徴のない平凡で無国籍な形状になっている。

 このテールを見ても、「おおっ、Zだ!」という感覚は薄い。むしろ180SXあたりのリバイバルに見えないこともない。

 とまあ、いろいろ書きましたが、総合的に見て、新型Zは間違いなく素晴らしい。よくぞ作ってくれました。涙が出ます。

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