ホンダ四輪の60周年、半分は本田宗一郎死後。

ホンダ四輪の60周年、最初の半分は本田宗一郎が先頭に立って二輪の世界GPやマン島のようにF1に参加し、ミニクーパーを改良したFF台形車両を世に送り出した。一方では、オートバイ同様に優れた4サイクルDOHCエンジンを生み出した。

優れたクルマは生み出されたとは思うが、スゴいクルマがあるとは更々思わない。

第1期F1参加した時期、横置V12ミドシップのマシンで2勝を挙げた。この時期にはまだランボルギーニミウラも出ていなかった頃、ちゃんとしたノウハウ蓄積があれば、ソレらをフィードバックしたスーパーカーを出す可能性があった。ただ、当時の日本自動車マスコミに、ヨーロッパのクルマを取材もしてなくて、そうした発想力や発信力もなかった。期待もない中、ホンダS600/800を出し、N360やZなどを出した。

その後、排ガス規制対策CVCCを施したシビックやアコードやプレリュードなどを出した。そして、第2期F1にエンジンサプライヤーとして、復帰した。70年代終盤のスーパーカーブームや富士F1があり、漸くF1やヨーロッパのクルマに関心や取材が追い付き、80年代中盤以降に様々な発想や発信が出るようになった。ソコから、ホンダF1技術をフィードバックした市販車両の期待が発信されるようになった。そして、87年からの地上波F1放送がされ、ホンダ車両のコントラクターズ&ドライバーズチャンピオン獲得と日本人レギュラーF1ドライバーの出現に依り、世界最高の日本車を夢に見せた。

しかし、87年から91年に見せたホンダの夢であって、そのまま消えた。NSXはただのフェイクでしかなく、期待されたV6ツインターボもV8もV10もV12も積まれるコトがなく、レジェンドのエンジンを微調整し、誰も求めなかったアルミ細工になって出て来た。

80年代中盤に本田宗一郎はクルマ作りから離れており、エンツオ死後のフェラーリ同様、おかしなネジ曲がり方をしたクルマを出すようになった。

以後は、ビートやプレリュードやデルソルやS2000や2代目NSXなど、売るための市場や規格を鑑みるでもなく、最強のスペックを追求するでもなく、顧客やファンの求めるモノとかけ離れたクルマしか出なくなった。全然スゴくない。顧客やファンの期待を膨らますだけ膨らませて、どうしてこんな的ハズレなクルマが出るのか、クルマ作りの鈍感力という意味でスゴかったのか?

四輪から少しズレて、二輪でも同じ流れになった。

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ホンダ4輪進出60周年! 改めて見ると「スゴいクルマ」が多すぎ!? 時代を動かした名車たち
2024.02.29 01:02掲載ベストカーWeb1

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ホンダが軽トラックのT360で4輪に進出してから、2023年8月で60年を迎えた。その長い間には、日本のモータリゼーションに大きな影響を与えたり、世界で功績を残したモデルが多数輩出されてきた。そこで、ホンダ4輪進出60年を記念し、同社の象徴的な存在をお届けしよう。

文/木内一行、写真/ホンダ

ホンダ4輪進出60周年! 改めて見ると「スゴいクルマ」が多すぎ!? 時代を動かした名車たち

■目指したのは世界に通用するベーシックカー【シビック

FR3ボックスが主流の時代に、当時の常識を超えたFF2ボックスのパッケージングを採用。当初は2ドアのみだったが、すぐさまリアゲートが開閉する3ドアを投入。1973年には4ドアセダン、1974年にはバンを追加し、ラインナップを拡充した

T360で4輪の世界に進出し、その後SシリーズやN360などをリリースしたホンダは、世界に通用するベーシックカーを開発。それが1972年に発売された初代シビックだ。

最大の特徴は、現代のコンパクトカーで一般的な2ボックススタイルをいち早く採用したこと。当時の国産乗用車といえば、3ボックスのセダンタイプが主流。そんななか、有効な居住空間が確保できる台形スタイルは実に独創的だったのだ。

さらに、横置きエンジンのFFレイアウトとしたことも室内空間の確保に大きく貢献。扱いやすいコンパクトサイズながら、ゆとりある快適な空間を確保することができた。

当初は1.2Lの2ドアモデルのみだったが、すぐさま3ドアを追加し、2ATのホンダマチック車も登場、そして、米国のマスキー法を世界で初めてクリアした「CVCCエンジン」を搭載し、スポーティグレードのRSを投入するなど、バリエーションを拡大していったのである。

こうして1979年まで販売された初代シビックは、その間に数々の賞を受賞し、世界的な大ヒットを記録。その後の世代でも威信を保ち、50年以上経った今でもワールドワイドに活躍する、息の長いモデルになっている。

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■トールスタイルをいち早く採用したパイオニア【シティ】

ホンダシティ(初代/1981-1986年)はトールボーイデザインが印象的なモデル

「人のためのスペースは最大に、メカニズムのためのスペースは最小に」を意味するホンダ独自のM・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想。これを完璧に具現化したのが、1981年デビューの初代シティだ。

かぎられたサイズのなかで居住空間を最大限確保するために、全高を高くする手法は今や一般的。しかし、1980年代初頭にはそうした発想はなかったため、「トールボーイデザイン」のシティは世界を驚かせたのだ。

ユニークなフォルム、ファニーなマスクと、見た目は愛嬌たっぷりのシティだが、コンパクトボディながら広い居住空間、軽量ボディが生み出す軽快な走りと優れた燃費性能など、その実力は本物。若者を中心に絶大な支持を得たのである。

また、シティ搭載用として同時に開発されたトランクバイク「モトコンポ」もリリース。4輪と2輪を持つホンダの強みを生かし、新たな6輪ライフを提案したのだ。

そして、当時の若者を熱狂させたのがターボ仕様の存在。特に最強モデルにあたるターボIIはブルドックの愛称で親しまれ、迫力ある外観と強烈な走りで人気を獲得した。

■世界に誇るジャパニーズ・スーパーカーNSX

ミドシップを主張する前身キャノピーデザインのボディは、オールアルミとすることで約140kgの軽量化を実現(スチール比)。リトラクタブルヘッドライトはプロジェクター4灯式で、ライトを上げた状態でもスタイリッシュかつ空力にも有利

ホンダの60年を語るうえで外せないのが、日本初のスーパーカーとして誕生した初代NSX。もとは1989年のシカゴオートショーで公開された「アキュラNS-X」だが、1990年9月に「NSX」と名を変えて市販された。

「世界第一級のスポーツカー」を目指して開発されたNSXは、運動性能に多くのメリットをもたらすミドシップレイアウトを軸に、量産車として世界初のオールアルミ・モノコックボディを採用。サスペンションをはじめとする細部にもアルミ合金を多用し、理想的な前後重量配分と大幅な軽量化を実現した。

エンジンは、絶対的なパワーよりも出力と重量のバランスを考慮し、自然吸気3LV6のC30Aを搭載。独創のVTEC機構や、新開発の共鳴チャンバー容量切り替えインテークマニホールドシステム、チタン製コンロッドなどの採用により、谷間のないパワーフィールと圧倒的なレスポンスを手に入れたのだ。

800万円(デビュー時)という当時の国産車最高プライスや、タイプRの投入、マイナーチェンジでの大幅なリファインなど、常に話題を振りまいたNSX。生産終了から20年近く経った今でも、その魅力は失われていない。

■ワンボックスとセダンのいいトコ取りで生まれたニューカマー【オデッセイ】

大ヒットした初代オデッセイ。実は当時、ホンダが車高の高いモデルを作れないプラットフォームだったのを逆手に利用して生まれたモデルだった?

日本のミニバンブームの火付け役となったのは初代エスティマだが、それに続けとばかりにホンダが1994年に送り込んだのが初代オデッセイだった。

目指したのは「大勢で乗れて、楽しく移動ができるクルマ」。つまり、ワンボックスカーの広い室内空間とセダンの快適さや走行性能を合わせ持つ、乗用車感覚のミニバンということ。

これを具現化したのが、アコードから流用したプラットフォームだ。フロントエンジンレイアウトのため低床化することができ、低全高ながらゆとりの室内高を確保。さらに、センターウォークスルーやフラットフロアなどを可能にし、安定感のある快適な走りも実現した。

低床・低全高スタイリングは、この他にも大きなメリットを生み出した。セダンと同じような感覚で運転することができ、優れた乗降性も実現。さらに、前面投影面積が小さいため空力特性に優れ、風切り音の抑制とともに、燃費性能向上にも大きく貢献したのである。

ちなみに、ポップアップルーフのフィールドデッキや3LV6エンジンを搭載したプレステージも後に投入。アウトドア派のユーザーや上級志向のユーザーにも訴求するラインナップを作り上げた。

■Sの遺伝子を受け継いだFRオープンスポーツ【S2000

エクステリアデザインは、1995年の東京モーターショーに参考出品されたSSM(スポーツ・スタディ・モデル)のスタイルを継承。見た目のダイナミックさだけでなく、揚力を最適にコントロールする空力特性など、機能性も併せ持つ

「Sシリーズ」といえば、旧車ファンでなくとも一度は耳にしたことがあるだろう、ホンダのレジェンド的スポーツカー。そんな伝統ある名を与えられたのが1999年に登場したS2000だ。

ホンダの創立50周年を記念して開発されたS2000は、同社が考える「新世代のリアルオープンスポーツ」を具現化したモデル。

ホンダとしてはS800以来、29年ぶりのFRレイアウトを採用し、オープンボディながらクローズドボディと同等の重量と剛性を実現。これを可能にしたのが、新開発オープンボディ骨格構造の「ハイXボーンフレーム」だ。

優れたシャシーには、新開発のF20Cを搭載。珠玉のVTEC機構を用い、2Lながら最高出力250ps、最大回転数9000rpmと、レーシングエンジン並みのスペックを誇る。ミッションも、世界トップレベルのショートストロークとダイレクト感を達成した新開発の6MTである。

その走りはまさにリアルスポーツで、国内外で高い評価を獲得。熱いスポーツスピリットが感じられながら、世界最高水準の環境・安全性能も備える「21世紀に向けた新しいホンダのシンボル」なのだ。

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