ミウラSVって

ジウジアーロ時代のベルトーネのFRデザイン、カングーロ的と言われたランボルギーニミウラにおける、M・ガンディーニの意匠の1つが、初期ミウラやSにおけるあの睫毛スリットではないのか?

一部には安全配慮との意図で、SVでは睫毛スリットは廃され、ポルシェ928や968っぽくなった。しかし、ラジエーターエアアウトレットのフロントセンターのスリットは残された。(イオタでは廃されたのに。)あのスリット、フロント下方から取り入れラジエーターを冷却した空気を上方から発散するところ、フロント上面流を使って吸い出し、真っ直ぐ後方に整流するためのモノではないのか?素人目には、ヘッドライト前面下方に当たる気流がありそうに思えるが、フロントカウルとヘッドライトの位置関係が絶妙だったのだろう。

本来はP400やP400Sがあれば、SVより高値がついたろう。仕方ない、SVで手を打つという、品薄故の高値でしかない。

 

 

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ミウラSV」誕生50周年! なぜSVの価格が高騰しているのかを検証
5/6(木) 19:10 Yahoo!ニュース
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2021年、「ミウラSV」発表から50年の時が経った
 ランボルギーニミウラ」にとって、2021年は50周年という記念の年だ。ここで「おや?」と思った人は、相当なランボルギーニ通だ。なぜならば、2016年に本国イタリアでミウラ生誕50周年を祝う数々のイベントやジロ(ツーリングイベント)が大々的に開催されたからだ。

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 2021年は、1971年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーのベルトーネの展示スペースで、ミウラの最終進化形である「ミウラP400 SV」が発表されてから50周年という節目の年なのである。

●近年価格上昇中のミウラの最終進化形

 
スーパーカーの元祖といえば、ランボルギーニミウラだ
 ちなみに1971年のジュネーブ・モーターショーでは、ミウラの後継モデルとなる「カウンタック」シリーズの始祖となるコンセプトカー「カウンタックLP500」も発表されている。つまり、2021年はカウンタックにとっても50周年ともいえるのである。

 さて、フェルッチオが自動車メーカーであるアウトモビリ・ランボルギーニを興して以来、常にフェラーリと比べられているが、モータースポーツに由来するクラシックカーを数多く擁しているフェラーリに比べ、ランボルギーニはクラシックというジャンルでは遥かに後塵を拝している。

 クラシック・フェラーリで億超えする車種は数多くあり、なかには数十億円という個体も存在する。一方のランボルギーニは、2015年になってようやくクラシックモデルの保全を目的とした「ポロストリコ」が設立され、クラシックランボルギーニもジワジワと価格が上昇するに至っているが、それでもようやくミウラが億超えする程度だ。

 そのミウラのなかでも、もっとも価値があるとされ、ひとたびオークションに登場すると2億円、3億円という価格で落札されるのがミウラP400 SV──通称ミウラSVである。

 当時のランボルギーニのチーフエンジニアで、「ミウラP400」と「ミウラP400 S」の開発に携わったジャンパオロ・ダラーラとパオロ・スタンツァーニは、ミウラの生産がスタートして5年のノウハウがミウラSVにはフィードバックされていると語っているが、どのような点に過去の経験が活かされているのだろうか。

ミウラSVの最後の1台は、ウォルター・ウルフがオーダー
 ミウラSVはミウラSと比べて、最高出力は15psアップの385ps/7850rpm、最大トルクは1.7kgmアップの40.7kgm/5750rpmに高められ、さらに運転性が向上している。また、ウェーバー製のトリプルバレルキャブレター「40IDL3C」のセッティングも新しく変更されている。

●オイル潤滑システムをついに分割

 
ミウラは、フロントとリアのカウルが大きく開く
 ミウラSVの「見えない部分の革新」は、実はこうしたエンジンのパワーアップではない。ようやくエンジンとギアボックスの潤滑システムが分割された点が、ミウラSVのもっとも特筆すべきポイントである。これにより、ミウラが抱えていた問題の解決となったのだ。

 それまでのミウラは、トランスミッションとデフケース、エンジンのオイルパンは繋がっている設計となっており、それらの潤滑はすべて同じエンジンオイルを使っていた。現在のクルマは、エンジン、トランスミッション、デフはすべて粘度も特性も異なるオイルが個別に使用されている。ミウラでは、それらをすべて同じエンジンオイルでカバーするため、当然ながら各機関のトラブルのリスクは高かったのである。

 さらにリアサスペンション下部のアンカーポイントとアームが改良され、130mm近くワイドトレッド化したことにより、リアのトラクション性能は著しく向上した。

 また、タイヤサイズも前後異形サイズに変更され、フロントの205幅に対してリアは255幅になった。ホイールサイズは、フロントが7.0J×15、リアが9.0J×15となる。そのためリアフェンダーは大きく膨らみが増し、ワイルドなスタイリングを得るに至った。

●睫毛なしがSVの証

 ミウラSVのエクステリアの変更を語る上で忘れてはならないのが、ライトまわりの変更である。

 テールライトは当時のフィアット用が採用され、外観上の大きな特徴となっている。そしてヘッドライトまわりの「アイラッシュ(まつ毛)」が、ミウラSVでは廃止されている。

 ランボルギーニ創始者フェルッチオが決定したアイラッシュの廃止は、その組立てとフィッティングに高度な技術が必要だったため、生産時間短縮の目的があったとされている。ただし、フェルッチオは自分のプライベート用のミウラSVには、ヘッドライトまわりのアイラッシュを取り付けているのだが。

 このアイラッシュの廃止は、技術的な理由ではないとされているが、それ自体が結構重たいので、結果的に軽量化されたともいえる。

 アイラッシュがなくなったミウラSVは、かわりにその部分をブラックでペイントして対処した。しかし、ミウラSVのごく最初期の個体では、黒くペイントされたふたつのカバーがヘッドライトを挟むようにして取り付けられており、希少なミウラSVのなかにあってさらにレアとされている。

 ミウラSVの生産台数は150台。1973年初頭に生産は終了されているが、それから2年後の1975年にウォルター・ウルフのオーダーにより、特別に最後の1台のミウラSVが製造されている。この個体は現在、ランボルギーニ本社のあるサンタアガタ・ボロネーゼのムゼオ・ランボルギーニに収蔵されているので、展示によっては現車を見学することができるかもしれない。

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 ミウラ・シリーズのなかでミウラSVがもっとも人気があり価値があるのは、150台という生産台数の少なさと、ミウラP400、P400 Sの致命的な構造的弱点が改良されているために安心してドライブできるからであろう。さらに、アグレッシブなリアフェンダーの膨らみなど、エクステリアデザインがグラマラスな点も理由に挙げられる。

 もちろん、ポロストリコでレストアの証明を正式に認定するからこそ、クラシックランボルギーニの価格が維持されているのはいうまでもない(フェラーリの「クラシケ」に相当する)。

 カウンタックは一番最初期のモデル「カウンタックLP400」がもっとも高額であるので、まったく逆の現象である。ランボルギーニに限らず、ローンチモデルと最終モデルのどちらに価値がつくのか分からないのも、クラシックカーの醍醐味といえるだろう。
西山嘉彦

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