自動車開発のウソ、改善の方がコスト効率悪い。

自動車メーカーの、開発のウソに気付けないのか?こういう特定グレード用の改善開発って、バカみたいにコスト効率悪いのだ。何せ、対象台数のケタが段違いに減るから、分母激減による直課でハネ上がる。

最初から考慮に入っていたプロジェクトなら、単なる廉価グレード設定と変わりない。

敢えて"たった120キロ"減らすために改善開発するくらいなら、全体マイナーチェンジし直したり、新車開発した方が台当たり安くなるのだ。一重に、分母台数の問題だ。

ホンダはNSX用にワザワザ工場を新設してしまったから、費用がバカ嵩みしたのだ。オートバイ工場で、鋼管/アルミフレーム作れば、このバカ工場はそもそも不要だったし、オートバイ工場の操業度も稼げたし、エボリューションモデル用の変更も楽だったのだ。

実際、90年以降のホンダのクルマ/オートバイ作りは右肩下がりを続けている。

 

 

 

 

 

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ホンダNSX タイプRとNSX-Rへ英国試乗 別格で究極の初代 キモは徹底的な軽量化
12/26(日) 13:45 Yahoo!ニュース
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120kgもの軽量化を実現
 
ホワイトのホンダNSX タイプR(初代NA1型/1992~1995年)とレッドのNSX-R(初代NA2型/2002~2005年)
初代ホンダNSXは、すべてのオーナーへ本物のパフォーマンスを開放した。スーパーカー開発の方向性を、大きく変化させたといっていい。

【写真】ホンダNSX タイプRとNSX-R 2代目NSX タイプSも (78枚)

ただし、スーパーカーを可能な限り乗りやすくする上で、ドライビング体験に多少の犠牲がなかったわけではない。お買い物袋を載せたいドライバーのなかには、もっとエッジの効いた体験を求めている人が存在することを、ホンダは知っていた。

そんなドライバーの要望へ、ホンダは応えた。1992年11月にリリースされた、研ぎ澄まされたNSX タイプRで。

エンジンの内部構造の精度を高め、一層のバランス向上が図られていたが、当時の日本の自主規制に則り最高出力は引き上げられていない。そのかわりタイプRに施されたのが、徹底的なダイエットだった。

バンパーやドアビームなどを軽いものへ置き換え、エンジンルームとコクピットを仕切るガラスも変更。エンジンカバーはメッシュ素材になり、アルミホイールは1本あたり1kgも軽い新設計の鍛造品が組まれた。

防音材やアンダーシールも省略。サスペンション・サブフレームに補強材が追加され、中空のストラットバーも装備されたが、全体としては軽く仕上がっていた。ノーマルのNSXですら可能な限り軽く設計されていたが、120kgもの軽量化を実現している。

サウンドや乗り心地などすべてが別格
 
ホンダNSX タイプR(初代NA1型/1992~1995年/英国仕様)
アミール・ハスミ氏が大切にしている、チャンピオンシップ・ホワイトに塗られたタイプRのエンジンを始動させる。3.0L V6エンジンのサウンドが車内を満たすから、ノーマルのNSXとの違いは歴然だ。

アルカンターラで仕立てられた内装と、レーシーな赤いバケットシートが、特別なクルマであることを更に主張する。ホンダが初期のタイプRに用意したトランスミッションは、5速MTのみだった。

マクラーレン・ホンダのF1マシンをモチーフにしたという、チタン製のシフトノブにそそられる。ストロークが短く、気持ちよくコクコクと次のギアを選べる。

通常のNSXとタイプRとの0-97km/h加速時間の差は、1秒もない。ファイナルレシオが4.23:1へ低められ、鋭い加速を助けている。しかし実際に運転すれば、加速力がスーパーカーの動的能力のすべてを表すものではないと、すぐに理解できる。

車高が10mm落とされ、スプリングとダンパー、アンチロールバーを強化。サスペンションの設計自体にも手が加えられており、決定的な違いを生んでいる。通常のNSXも優秀なアスリートかもしれないが、NSX タイプRは間違いなくゴールドメダリストだ。

運転中、ドライバーへ伝わってくるすべてが別格だった。エンジンのサウンド、乗り心地、ステアリングホイールへのフィードバック。NSX タイプRを運転すると、ドライバーの感覚も研ぎ澄まされる。中毒性も相当に高い。

専用ボディキットで空力特性を向上
 
ホワイトのホンダNSX タイプR(初代NA1型/1992~1995年)とレッドのNSX-R(初代NA2型/2002~2005年)
初期のNA1型NSX タイプRは、これまでに筆者が運転したスポーツカーで、最も高次元に完成された1台だ。ところが、さらに1段上の水準が存在していた。NSX-Rだ。

NSX タイプRの生産は2005年に終了してしまうが、7年後、辛抱強く待っていた世界の人々へホンダはNSX-Rを提供した。正式に英国へ導入されることはなかったが。

ベース車は、2001年にマイナーチェンジを受けたNA2型。V6エンジンは3.2Lへ排気量が大きくなり、6速MTが載っているが、タイプRと同様に主眼が置かれたのは軽量化だ。

エンジンルームのガラスカバーは薄くなり、レカロ社製のバケットシートはケブラー素材に。エンジンは入念にバランス取りされ、専用のボディキットで空力特性を向上させている。

大きくエアアウトレットが開けられたボンネットは、カーボンファイバー製。アグレッシブな印象を与えるだけでなく、空気力学的に安定性を高めている。加えて2.2kgも軽い。

ダウンフォースと前後の重量配分をバランスさせるため、ボディ下面を流れる空気を、ボンネット上部から吸い出す構造を取っている。カーボン製のウイングやディフューザーも、その機能を高めていた。

NSX タイプR以上にレーシーな雰囲気が強い見た目だが、乗り心地も明確に違う。サスペンションのスプリングはブロックのように硬い。英国南部、路面が荒れたダンスフォールドのテストコースではなく、滑らかな鈴鹿サーキットを前提としているようだ。

タイプRは483台、Rは152台
 
ホンダNSX-R(初代NA2型/2002~2005年/英国仕様)
バケットシートのクッションも薄い。正直、日常的な速度域では乗り心地を受け入れることが難しい。

しかし3速までシフトアップし、アクセルペダルを踏み込むと、サスペンションに納得できるようになる。ステアリングも、息を吹き返したように明瞭になる。3.2LのV6エンジンからは聴き応えたっぷりの咆哮が響き渡る。

タイプR以上の軽量化と、サーキット志向のサスペンションやルックスを備えつつ、高速域でのNSX-Rは驚くほど快適。低速域での振る舞いを忘れてしまう。夏場にうれしいエアコンと、ステレオも付いている。シートは電動で調整すらできる。

通常のNSXを遥かに超えるパフォーマンスを実現した、究極のNSX-Rだが、製造台数は152台に留まった。NA1型NSX タイプRの483台より、更に少ない。

新車時の価格は1万5000ポンドほど高く、購入する人を選んだ。しかし限られた賢明なドライバーは、深遠なドライバーとの一体感に浸ることが許された。初代の生産終了から15年が経過するが、NSX-Rの見事な仕上がりには今でも言葉を失う。

マイク・ジェームズ氏がオーナーの真っ赤な1台のように、極上のNSX-Rの場合、取引価格は50万ポンド(7600万円)を越えるという。理想的なホンダNSXは、一層夢のクルマになってしまったらしい。
グレッグ・マクレマン(執筆) ジェームズ・マン(撮影) 中嶋健治(翻訳)

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