桑田真澄コーチに不幸な巨人の劣悪環境!

桑田真澄、巨人コーチとして、割と即効性あるコーチングを主に行い、若手に効果を上げている。あの小さいカラダに、鍛練した心身、技術は、恵まれたカラダに胡座をかいた歴代巨人投手では、誰一人太刀打ちできる者はいない。恐らく、金田正一藤田元司が生きていても勝てない。桑田の実証性の高い技術は、より身体に恵まれた巨人若手投手陣には即効性が高い。

しかし、長期的には疑問だ。

近年の巨人の獲得投手、甲子園で華々しい成果を上げたヒトは殆どいない。中高生時代、勝ち抜くための鍛練経験者や実証者は殆どいない。桑田の現役時代、江川や定岡や斉藤や槙原や中条や橋本など、甲子園投手のオンパレードだった。むしろ、逆指名制度以降、高校時代イマイチで大学生や社会人で、大きく強くなった分で頭角表した投手には、そうした鍛練経験が薄く、理解が浅い。定着したらテングになる率も高いし、酒タバコやる投手もいる。高校トーナメント連戦に対応したシビアさは、カレらには通じないのだ。

まして、原辰徳はそういう面の理解もない。

また、今の桑田には理論的足枷もある。

1つは、あのダイビング負傷によるトミー・ジョン手術。送りバントファールフライに飛び込み、人工芝だったコトもあり、右ヒジ腱断裂を起こした。常時全力プレー、選手生命と引き換える価値ある場面ではなかった。

もう1つは、東大大学院就学による、タマ数制限派への入信だ。桑田は中高生時代の鍛練により、5季甲子園をフルに投げ抜き、プロでも目立った故障もなかった。ダイビングさえなければ、故障なく現役を全うできた。それが、東大も筑波大と並んで(全く正しくない)アメリカ式理論に平身低頭、日本独自の理論を組み上げる気概もない。つまり、中高生時代の鍛練を実証する立場になりにくい。

勉強も運動も、大事なのは中高生時代の鍛練だ。それにブレーキをかける立場に取り込まれている。

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173勝右腕がベンチで話していることは…桑田真澄投手チーフコーチ54[つなぐG コーチの教え]
5/16(月) 15:00 Yahoo!ニュース
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 今年の巨人投手陣は、4月までに6人がプロ初勝利を挙げるなど、若手の台頭が目立つ。今季から投手チーフを務める桑田真澄コーチ(54)は、選手との対話を重視しながら「勝利と育成」の両立を目指す。(宮地語)

ヒントを与え、気づきをうながす
 
選手との対話を重視しながら勝利と育成の両立を目指す桑田コーチ(中央)(東京ドームで)
 巨人ベンチで、おなじみになった光景がある。イニングを投げ終えた投手に桑田コーチが歩み寄り、話しかける。「次の回、どう入っていこうか」、「失点したことは取り戻せない。ここから粘って投げていけば勝てる」――。まず選手の考えに耳を傾け、その上で意見を言って、最善策を見つける手助けをする。「こちらが答えをわかっていることもあるが、答えを出すために必要なヒントを与えながら、彼らに気付いてもらおうと」

 大阪・PL学園高から1986年に巨人入りし36年。その間に、コーチと選手の関係性は大きく変化した。「我々の時代は(コーチに)『はい』『いいえ』しか言えないような時代だった。でも、コミュニケーションは双方向でなければいけない」。2013~14年まで東京六大学野球、東大の特別コーチも務めた経験も生きている。学生と接する中で「言われてやるよりも、自分で気付いてやる、気付く、というのはすごく大事な要素」と感じたという。だからこそ昨季、巨人のコーチに復帰してから、息子以上に年の離れた選手たちと、とにかく会話を重ねる「桑田流」の指導を続けている。

勝つための哲学、数値化されない投球術も伝えたい
 
中継ぎで登板した菊地(左)に声をかける桑田コーチ
 伝えているのは、勝つための投手哲学だ。自身は野球選手としては小柄な1メートル74の体格ながら、精密なコントロールを武器に巨人在籍21年間で通算173勝を挙げた。「投手の目的はアウトを取ること。160キロやすごい変化球よりも、どうやって打者を抑えるかが大事」。剛速球や魔球をただ投げるだけでも、勝利にはつながらない。

 近年技術が進化し、球速だけでなく、回転数や回転軸など数値化される様々な指標が注目されるようになったが、打者を抑えるためには数値化されない投球術も必要だ。「できるだけ打者に球を見せないように隠して投げるとか、タイミングを一定にせずに、少しずつ微妙にずらすとか、緩急をつけて、人間の錯覚を利用するとか。そういった職人的な感覚は数字には表れない。コントロールも数値化できないので、目に見えない部分も指導していきたい」と話す。

守備も打撃も走塁もマスターし、完投勝利の感動を
 
菊地(手前)に守備の指導をする桑田コーチ
 「守備も打撃も走塁も総合的にできないと、セ・リーグで勝てる投手にはならない」も持論の一つ。野手にひけをとらない通算110犠打は球団歴代7位で、ゴールデン・グラブ賞は8度。今の選手たちにも、投球以外にも勝利に貢献する「9人目の野手」になってもらおうと、本拠地での試合前には投手陣のために打撃投手を務めることもある。

 4月29日に阪神戦が行われた東京ドーム。試合開始の4時間ほど前に戸郷、高橋、山崎伊、新人の赤星優志(日大)、シューメーカーの先発投手5人が、バットを片手に早出練習中のグラウンドに姿を見せた。選手らは打撃練習で次第に豪快なスイングで柵越えも披露し、笑顔で汗を流した。「我々の時代は、必ず3連戦で1回はやっていた。たまにでもいいので、(打撃の)感覚をつかんでおくのはすごく大事。タイムリーを打てば自分が楽になり、チームが楽になる」と狙いを明かす。

 努力を重ねた先に待つ喜びも、伝えたいという。特に完投勝利の味は格別だった。「完投して最後の打者を打ち取った時の感動、これは何にも代えがたい。これを味わってほしいんですよ。六回でマウンドを降りて、抑えが締めて勝った1勝と、自分が最後まで投げて勝った1勝、感動の度合いが全然違う」

 自身は2年目に14完投、4年目には自己最多の20完投を記録した。「投球術を身につければ、中5日でも135球くらいは投げられて、完投だって2桁できると思う。僕みたいな体格でもやってきたわけだから。1イニング、1球でも多く投げられる投手になってもらいたいね」

情熱と愛情をモットーに、心を鬼にすることも
 
ベンチに戻った高橋(左)に声をかける桑田コーチ
 時には心を鬼にすることもある。春季キャンプ直後、原監督の助言を受け、昨季11勝の高橋、9勝の戸郷をあえてファームに降格させた。「彼らにとっても屈辱だったと思う。去年の勝ち頭の2人ですから。それを開幕前に二軍に落とすというのは、監督のアドバイスがなければ僕はできなかったと思う。そういう意味ですごく勇気のいる決断だったけれど、監督のおかげで、結果的に戸郷も高橋も、一皮むけたと思う」

 初勝利を挙げた後、「プロの壁」にぶち当たる若手もいる。さらなる成長を願い、ファームに足を運んで声をかけることも忘れない。「時間はかかるけれど、根気よく、情熱と愛情を持って指導していく。それが自分のモットー」と言い、「シーズンは長い。経験を積ませながら育てていくということを、継続して1年やっていきたい」と語る。

 「ジャイアンツのエースは、球界を代表するエースであってほしい」。穏やかな口調にも、将来の巨人のエースを育て上げようとする熱意があふれている。

1年目で一軍デビュー、2年目で15勝
 
1986年6月、1年目でプロ初勝利を初完投でマークした現役時代の桑田コーチ
 大阪・PL学園高からドラフト1位で入団し、1年目で一軍デビューを果たした。1986年5月25日の中日戦に中継ぎで初登板し、1回1失点の内容だった。6月5日の阪神戦に2度目の先発に臨み、完投でプロ初勝利。「まだ一軍のレベルじゃないなと思っていたけれど、そうは言っていられない。空元気で頑張った」という。

 「やはりプロはすごい。実力をつけないとこの世界でやっていけない」との危機感を持って練習に励み、1年目の2勝から2年目で15勝と飛躍を遂げた。/

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