電気自動車にも、チューナーのノウハウは活かせる!

アルピナは自社での存続ではなく、BMWに吸収される道を選んだ。アルピナはシュニッツァーと違い、BMWやMと異なるチューニングに依る出力特性を作り上げて来た。

ワタシ個人は、アルピナB12-5.0BMWを12年乗って来た。E32型750を圧縮比アップなど施した5リッターV12は、1.8tあるアルピナをボトムの回転域から強いトルクを発揮し、俊敏に加速した。併せてポルシェ996カレラも10年乗っていて、1.35tは滑らかな軽さでレスポンスし、如何にもな加速をした。BMWもポルシェも走りへの拘りの強い会社だが、それぞれ、レスポンスも感じる味も違う。もちろん、アルピナもそうだし、RUFなら一体どんなレスポンスをするだろうかと思う。

例えば、RUFが4.5リッターV8を自社開発し、997車体に搭載したRGT8を作ったように、電気自動車でも独自の出力特性やトルク特性を持つモーターを開発すれば、エンジンの頃より明確な差別化を演出できるのではない?

アルピナBMW吸収は残念だが、アルピナの出力特性やトルク特性というノウハウを活かした路線を設けた電気自動車のラインナップを設けて欲しい。RUFやAMGでも。

 

 

 

 

 

 

 

 

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伝説のコンプリート・カーが終焉を発表 【主筆ライター関が選ぶ、2022年の10大トピックその4】
1/6(金) 17:10 Yahoo!ニュース
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2022年10大トピック、「3位」を発表
 
ドイツ・アルピナ社の自動車業務からの撤退が2022年自動車ニュース10大トピックの3位。アルピナは2025年をもってコンプリート・カーの製造と販売から退く。
「ENGINE WEB」の自動車ニュースで主筆を務める関 耕一郎氏が2022年に執筆したニュースの中から気になる10つのトピックをピックアップし、ランキング形式で発表。第4回目の今回は3位を紹介する。

【写真32枚】ENGINE WEBの主筆ライターを務める関 耕一郎氏が選ぶ2022年自動車ニュース10大トピックで3位に入った、2025年で自動車開発、製造、販売業務から撤退するドイツ・アルピナ社が初めて製作したコンプリート・カーの内の1大「B7ターボ・クーペ」のほか、現行型のアルピナ・モデルの詳細画像をチェック

アルピナがコンプリート・カー事業から撤退

3位は、衝撃的な業界再編の話題だ。その一報を受けたのは3月。BMWをベースにコンプリート・カーの製作と販売を行うアルピナが2025年に新型車の生産と販売を終了し、アルピナの商標をBMWへ移管するというニュースに仰天したのをまざまざと思い出す。

◆プライベート・チューナーからスタート

アルピナ創始者であるブルカルト・ボーフェンジーペンはプライベートのチューナーだった。その後、そのエンジンの優れた性能が評価され、1964年にBMWから公認を得て、翌年にBMW専門のチューニング会社を設立。1977年からはBMWのコンプリート・カーの製作と販売へ軸足を移し、1983年には独立した自動車メーカーとしてドイツ自動車登録局の認可を得ている。

アルピナBMWをベースにエンジンやシャシーを徹底的に磨き上げ、ノーマルでも十分優れたBMWの走りをさらに凌駕するものに仕上げているのが最大の特徴。生産台数の少なさもあって、まさに高嶺の花と呼べる特別なブランドである。それが事実上終焉を迎えるのだ。

◆電動化が大きな節目に

この決断にはやはり電動化が大きく影響している。2019年の東京モーターショーで来日したアンドレアス・ボーフェンジーペン代表は「今後15年くらいで、ハイブリッドや電気自動車の比率が、いまのエンジン単体のそれと完全に入れ替わるでしょう」と今後の展望を述べていた。しかしその後、欧州の電気自動車への移行スケジュールはそれ以上に加速する。そのため、業績好調とはいえ、小規模メーカーのアルピナが単独で対応し、ましてや期待される高いクオリティを維持するのは至難の業となってしまったということなのだろう。

ドイツのブーフローエにあるアルピナの工場でアルピナ車が製造されるのは2025年までと発表されており、以降は新会社のボーフェンジーペン社として、クラシック・カー関連の事業やエンジニアリング事業などを手掛けるという。一方、アルピナの名義はBMW傘下で高級車部門のブランドとして存続する予定だが、6気筒以上の後輪駆動ベースにこだわってきた従来のクルマ作りに変革が訪れるのは間違いないはずだ。

◆夢を叶えるなら残り3年

できることならば、現在の生産体制が続いているうちに「いつかはアルピナ」の夢を叶えたいものだが、タイムリミットと生産規模を考えると容易なことではないだろう。

もっともボーフェンジーペン代表は合成燃料などで排出ガス問題が解決すれば内燃エンジンが存続できるだろうとの考えを語っていた。再出発するボーフェンジーペン社の技術が新たに希望の花を咲かせることを、心より願うばかりだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部

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